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こんにちは、ジョンソンホームズの三谷です。
今回は、私が「顧客満足委員会」の初代委員長を務めて実感した、顧客満足の目標達成のヒントになりうるお話しができれば、と思います。
「顧客満足度アップを目指して、他社とは違う独自の取り組みにチャレンジしたい」
「社員一人ひとりの、お客様に対する感謝の気持ちを育てたい」
経営者の皆様の中にはそういった目標をお持ちの方もいらっしゃいますよね。
ジョンソンホームズでは毎年お盆前の日曜日、"休日返上"で社員全員がある業務にあたります。
それはお客様に感謝の気持ちを伝えるイベント「オーナー感謝祭」です。
札幌市内のスキー場の一角を貸し切りにして、バーベキューやDIY教室、縁日のような屋台でおもてなし。
お客様に喜んでいただくのはもちろん、社員自ら楽しむ恒例行事です。
実はこの感謝祭、単に楽しむだけではなく、「顧客満足度アップ」と「社員の意識改革」というミッションがあるのです。
1年に1度、社員が揃ってお客様に会う日をつくる
オーナー様へのサポートをもっと充実させようと考えて顧客満足委員会を立ち上げたのは今から6年前。
当時のジョンソンホームズは、「アフターサービスの充実」を「社の特長」として掲げ、アフターサービス専門部署のスタッフが定期的にお宅を訪問する機会は設けていたものの、実際に家づくりに深く関わってきたスタッフたちは、日々の業務をこなすのに精いっぱい。
なかなかお客様のその後の暮らしにまで目を向けることができていませんでした。
「不具合はないだろうか」
「快適に暮らしているだろうか」
日々気にはなっているのだけれど、その気持ちを届ける機会がない。
そこで「何が何でも1年に1度はお客様に会う機会をつくろう。そのために何ができるか」と考えてみました。これが感謝祭開催の原点です。
ご家族皆で楽しんでいただきながら、社員にとっても実りあるイベント
はじめに考えたのはバーベキューでした。
「お客様を集めて外でわいわいお肉を焼いたらきっと楽しんでもらえるし、子供連れのお客様も多いから、ヨーヨー釣りや縁日のようにお子様も楽しめるものがあったら良いのでは」と構想が膨らみ、感謝祭の形になっていきました。
イベントといっても、必ずしも大規模である必要はないと思っています。
私たちも、初回の会場は自社の駐車場スペースでした。
大切なのは「年に1度以上は、必ずお客様にお会いする機会を設ける」という心がけです!
「感謝祭をやろう!」と決めてから、実際に開催までこぎつけるまでの道のりが順調だったかといえば、そうではありません。
むしろ、社内では「お客様と関わりの深い部署だけでやれば良いのでは」「休みの日をつぶしてまで...」「そんな時間があるのなら、ほかの仕事をしたい」といった否定的な意見も少なくありませんでした。
新しいことを始める時は、全員が賛成してくれるとは限りません。ですが、私自身は「普段お客様とお話しする機会の少ない社員にこそ参加してもらいたい」と思っていました。
「自分たちは何のために働いているのか。日々の業務は誰の役に立っているのか」
このイベントは社員たちにとって、そういったことを実感できる機会になり、社員のモチベーションアップにつながるはずだと考えていました。
初回成功のカギは、上司の理解と一件ずつ電話を掛けたこと
全員参加にこぎつけられたのは、管理職やマネージャー職などの立場にある上司の理解が得られたことが大きかったと思います。
各部署のトップが「年に一度のことだから」と、あえて「強制参加」「業務の一環」という位置付けであることを強調して社員に説明をしてくれました。おかげで全員が納得したうえで開催につなげることができたのです。
新しいことをスタートする時には、どんなことでも企画発案者と上長の間での意思疎通が重要だと実感しました。
さらに初年度は、お客様がどの程度このイベントに興味を持ち、来場していただけるか予想がつかないこともあり、営業担当者がお客様のお宅に一件一件電話をかけて、来場を呼び掛けました。
その結果「担当者の●●さんから電話をもらったのがうれしかったので来ました」と、足を運んでくださる方々もいらっしゃいました。
初回は、100組という、想定よりはるかに多くのオーナー様に来ていただくことができ、確かな手ごたえ感じることができました。
翌年からは場所を広い会場に変え、イベント内容も毎年ブラッシュアップしながら開催することになったのです。
お客様とのふれあいが社員一人ひとりの自信に
オーナー感謝祭の準備は毎年4月、新年度の委員会が立ち上がるところからスタートします。そこから8月の開催に向けて、週に1度の委員会を開き、「今年はどんな新しいことをしようか」「あれをやったら面白そう」と全員で真剣に意見を出し合います。
「ただのお祭りごとにそこまで...」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、「いかにお客様に楽しんでもらえるか」ということを追求することは、お客様の幸せや充実した生活を願うことです。
※「オーナー感謝祭は何のために開く?イベントを企画する目的を考えよう」もぜひご覧ください!
感謝祭で久しぶりにお客様の元気そうな顔を見せていただけることや、お子様が成長した姿を拝見すること、「あの時一生懸命、一緒に考えてくれたおかげで、毎日快適だよ」と声をかけていただくことは、「この仕事をやっていて良かった」と強く思える瞬間です。
それがモチベーションアップにつながり、次の仕事にも生きてきます。
お客様に会うことの大切さが、社員の成長から伝わる
オーナー感謝祭を実施してからこの5年で、お客様に対する社員一人ひとりの意識は本当に大きく変わったと思います。
イベントに対して消極的だった社員が、今では自らお客様の元へ駆け寄り「キッチンの収納で迷われていましたね。その後、使い勝手はいかがでしょうか?」と、お声がけをするほどです。
また、お客様にとっては「わざわざ電話で呼び出すほどでもないだろうし...」と思うちょっとした不具合などを、気軽にご相談いただける場にもなっています。
顔を合わせてお話を聞ける分、問題点を具体的に聞き取りやすく、その場で解決できるようなこともあります。
お客様がなかなか言えずにいた、つもりに積もった小さな不満が、大きなクレームを引き起こしてしまうことは、この業界にはよくあることですよね。
しかし、こうして感謝祭を開催することで、不満をため込まないうちにイベント内の和やかな雰囲気の中でお話しできるので、「話を聞いてくれたからもう満足」とまで言ってくださることも。
お客様とお会いすることがいかに大切かを実感します。
お客様同士の楽しい交流の場にも
お客様同士の交流も、このイベントの醍醐味の一つです。感謝祭をきっかけにご近所同士であることが分かって、家族ぐるみで親しくなったお客様たちもいます。幸せの輪が年々広がっていくようで、とてもうれしいものですよ。
お客様が幸せに暮らしていることを実感することが、社員のモチベーションアップにつながり、お客様をもっと幸せにしたい!と日々の仕事に邁進していく。
その仕事内容が顧客満足度アップにつながってお客様に感謝され、お客様自身も幸せに...といった、お客様も社員も幸せになれる「幸せサイクル」を生み出す力が「オーナー感謝祭」にはあると、私は実感しています。
ぜひ、年に一度、お客様にお会いするきっかけづくりを!
まとめ
- 年に一度のイベント開催で、顧客満足度アップと社員の意識改革。二つのミッションをクリアできる!
- 社員たちへの声がけは、あえて「強制参加」の位置づけで。社員たちの気持ちを一つにしましょう。
- イベント時のお客様の笑顔を見ることで、社員たちのモチベーションがアップ!
ジョンソンホームズでは年に一度、お客様と社員が一堂に会する「オーナー感謝祭」というイベントを開催しています。お金も時間も労力もかかることではありますが、あえて真剣に取り組むことで、お客様に楽しんでいただくことはもちろん、イベントを通じて社員たちのお客様を思う気持ちを育てることにつながっています。