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こんにちは、ジョンソンホームズの川田です。
私は、札幌市で年間300棟程度の受注を行っている住宅会社の経営を行っております。
コロナ禍の2020年度に、初の札幌市年間着工棟数No.1になることが出来ました。
現在は地域でお客様に選んで頂けるようになりましたが、十数年ほど前までは営業利益をトントンにするのがやっとな経営を行っていました。
今回は、自ら経験してきた営業利益トントンの状態の住宅会社経営から営業利益2000万円、それからその先へ進むことが出来た気づきと、簡単な住宅会社経営の方法についてお伝えします。
住宅会社経営の課題は商品?集客?
住宅会社はどうすればもっとよくなるのか。
これについて自社の経営を含め常々考え、また、業績が悪ければその都度、いろいろな対策や戦略をとってきました。
安定した経営をするためには、安定的に受注を上げ、利益を出していかなければならないわけですが、その受注を上げ続けるために必要な要素とはなんでしょうか。
ジョンソンホームズの過去を振り返ってもそうなのですが、課題の焦点を集客か商品かに置いて対策を、と考えられる経営者の方は多いと思います。
集客対策、商品の見直し、選ばれる商品・住宅会社になるためのブランディング。
これらが営業活動にとって大事であることはいうまでもありません。
しかし、集客できたとしても、どんなに良い商品を揃えても、肝心な営業マンの商談の質が低ければ、なかなか契約にまでつながらないのも事実です。
当社の取り組むべき「本来の課題」も、そこにありました。
安定的に受注して儲けを出すという点では、集客、商品、ブランディングよりも先に、取りかかるべきことがあると身をもって感じています。
住宅会社経営を簡単にする2つのポイント
ジョンソンホームズの受注棟数が落ち込んでいた状況を打破しようと、営業改革に取り組んできました。
その現場から離れて私がいま思うのは、住宅会社が儲かる会社になるためにやるべきことは2つ。
- 営業マン全員を売れるようにする
- 全棟利益率を25%以上にする
シンプルにこの2点です。
成績が振るわない営業マンは、やはり自分が売れるようになれば仕事が面白いと感じられるようになるでしょうし、そうした営業マンばかりの強い組織になれたら、会社はもっとよくなっていくはずです。
そして儲かる会社になれば、たとえば、集客、ブランディング、採用、新規事業等々、目先のことだけでなく会社の未来のために、やりたいことをやっていけるようにもなります。
しかし、ここの改善が中々上手くいきません...
住宅会社経営が難しくなる原因は「社内の反発」
管理者が営業部門の営業成績を知ろうとする場面で、目標未達ならばその原因を問いただす。
一方、詰められる側の営業マンは、土地が、商品力が、お客様が、タイミングが、世の中が...などと、売れない理由を自分以外に向けて言い訳をする。
あらゆる住宅会社の毎月行われる営業会議で見られる光景ではないでしょうか?
売れるよう改革を進めると営業マンとバトルになるのがパターンで、その度に自分に都合のいい報告を聞かされてうんざりします。
しかし、結局のところ営業マンの声を聞き入れるかたちで、集客や商品で対策を、ということを当社は繰り返してきました。
要するに、肝心なのは「営業力の強化」であるにもかかわらず逃げていたわけです。なぜか。
営業メンバーから反発も予想されるため、正直に言えば、そこと真正面から向き合うのはキツいし面倒だったのです。
営業フローと行動量の見える化ですべてが解決
「社内の反発」を避けていましたが、スタッフは年々増えているのに業績は横ばいという状況が続き2019年12月から現場に深く関わるようになりました。
入り込んでみると、売れている営業マンと売れていない営業マンとでは契約数の差が大きく、そのうえ売れていない営業マンが多すぎるという事実が判明しました。
そこで、トップセールスの営業マンを参考に、約50名のすべての営業スタッフ初回商談のロープレを撮影し比較しました。
それまでも営業研修やロープレはやっていたのですが、撮影した全員分の動画を見てみると、話していることをはじめ何もかも見事なまでにばらばらでした。
また、行動量についてもそれぞれが保有している管理顧客へのアプローチ頻度について計測を行いました。
これも、基本は100%少なくとも8割はアプローチを行っているものだろうと思っていました。
しかし、蓋を開けてみたら全体を通して30%そこそこという数字に驚愕しました。
営業トークの質に極端なバラつきがあることがわかったり、言うだけで行動していないことがわかったので、営業トークの質はすべての営業スタッフの商談動画を全体公開にして全員が比較検討し自主学習が出来る体制を確保。
さらに委員会を設置し、トップセールスの営業トークを動画化したり、管理アクションの成功事例を持っているスタッフのインタビュー動画を撮影してノウハウとして社内公開する体制を整えました。
こちらの動画はすべて加盟店様がジョンソンホームズの営業スタッフと同じく視聴することが出来るようにしています。
行動量に関しては毎週2回行っている朝会で営業スタッフの名前と管理目標、進捗を公開し、誰が頑張っているか全従業員がわかる形で発表することで毎月ほぼ100%の管理アクション達成率まで持っていくことが出来るようになりました。
変えるべきは内部環境
今回の営業改革では現場の情報を集め、事実を明らかにして取り組んだことで、営業マンの声に踊らされることなく進められました。
いまは突破するチャレンジをしてよかったと実感できます。
私もそうでしたが、営業マンが売れない理由を自分ではなく外に求めるのと同じく、経営者の方もまた、自社の業績低迷などうまくいっていない状態のとき、営業マンの声を聞き入れて、外部環境を変えようとしがちではないでしょうか。
しかし、常に強い会社はどうでしょう。
外部ではなく内部に課題があると捉えて、営業マンをキレッキレにしているのです。
繰り返しになりますが、儲かるためには、まず「営業マン全員を売れるようにする」こと、そして「全棟利益率を25%以上にする」ことの2点が重要です。
難易度が高く、着手しにくい部分であることは確かですが、そこを諦めてしまっては「忙しく頑張っているのに営業利益は毎年トントン」な状態から抜け出せないように思うのです。
では、この2点に真正面から向き合い突破することができたらどうでしょう。
他の経営課題など無いに等しく、住宅会社の経営は難しくない、というのが改革後の私の客観的な気づきです。
売れる営業マンを作る住宅フランチャイズ
前述したことは、ジョンソンパートナーズ・住宅フランチャイズ(FC)本部とも重なります。
FC本部というのは本来、商品を提供することが役割だろうと思います。
しかし、20年間売れ続ける住宅商品などほぼ存在しません。
また、商品を扱ってもらってその先、売れるか売れないかは加盟店さん任せというのは、本部としての役目を果たせていないと私たちは考えます。
ジョンソンホームズの営業改革では、「売れていない営業マンを売れるようにする」ことに焦点を置き、経験を問わず誰もが月1棟売れる「型」つくりを目指してチャレンジしました。
型の中身については、営業改革シリーズのコラムで書いています。
当社の加盟店さんは当社の責任で営業マンの方々全員を売れるようにする。
伸び悩みに苦しんでいる加盟店さんが多かったため、答えがあるのかわからないけれど、加盟店さんが成功する秘訣はそこにしかない、と本部として向き合い、直営店を使って取り組み、答えを見つけてきました。
手前味噌ですが、そこまで踏み込める住宅FC本部というのは、なかなか存在しないのではと思っています。
加盟店さんには、全営業マンが月1棟・年間12棟受注していきましょうというメッセージをお伝えしています。
なかには、社員さんに「もっと売っていこう」と言いにくい社長さんもいらっしゃるでしょう。
そうした社長さんの肩代わりができたらという思いで、オンライン全国配信の場からもっと売っていきましょうと発信し続けることも含めて、加盟店さんが儲かり、さらなる成長につながるご支援をしていきたいと考えています。
次回はなぜ月1棟にこだわるのかという話題から、住宅営業という仕事について思うことを書いていきます。
また、Facebookでも日々中小企業の経営者様が抱える経営課題の解決に繋がるような発信をさせていただきます。
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