工務店は"広報担当"が主役の時代

売れる仕組み
2024年06月22日 by 小松 壮幹

目次

こんにちは、ジョンソンパートナーズ小松です。

今回のテーマは「工務店の役割分担」を取り上げようと思っています。住宅業界を取り巻く環境がいっそう厳しくなっていく中で、スタッフの役割再編の必要性や強化すべきポイントについてお話しします。

配属先の傾向

これまで数多くの建設会社や工務店とお付き合いさせていただいて感じるのは「人員の配属の仕方に、会社それぞれの特徴が出る」ということです。

自社において評価の高い、外部からでも感じ取れるくらい「優秀な社員」がいるとします。その人がどの部署に配属されているかで、会社の歴史や方向性を読み取ることが出来ます。

当然ですが、優秀な社員はその会社の「強み」を担う部署におられます。その人の力量で強みを醸成した要素もあるとは思いますが、たいていの場合は経営者の意向で、もともと強みである部署に配属されているケースが多いように感じられます。

工事担当が優秀な会社

主にゼネコン系、または社長自身が優秀な監督や大工だったケースは、優秀社員を工事部に配属しがちです。請け負った物件を依頼先の期待を超えるレベルに仕上げること、つまり技術力で他社と差別化したいという意図を感じます。

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設計担当が優秀な会社

主に注文住宅系、それも高級志向の工務店に多くみられます。全方位的な営業活動は行わず、いわゆる「指名」で受注することが出来、他社ではマネできないデザイン力で勝負するスタイルです。

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営業担当が優秀な会社

建築会社の大半は営業にメイン人材を置いています。現時点では一番スタンダードなスタイルです。受注がなければ事業は始まらないですし、設計力や技術力が「並み」だったとしても、営業がお客様から絶大な信頼を得ることで他社に勝ちます。

また営業と経営は直結するので、経営者への近道とも言えます。社交性や上昇志向が高い人が多く、優秀社員の「激戦区」となりがちです。

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これからの時代の人員配置

ここまで「優秀社員の配置と会社の強みの相関性」について書いてきました。

他社と最も差別化できる分野に優秀な人材を配置するのは、経営的な視点で見れば理にかなったことです。ですが、今後長い目で業界のことを考えていくと、営業・設計・工事の分野での差別化は難しくなっていくと思われます。

国の政策もあり、どの工務店も一定基準まで性能を引き上げなくてはならず、またそれにより独創的なデザインの家は作りづらくなるので「技術力・設計力」での差別化は難しくなります。そしてIT化の推進やAIの導入により「営業力」で差別化する機会もどんどん少なくなっています。

これまで積み上げてきた「自社の強み」がいっさい無くなってしまうわけではないですが、優秀人材をつぎ込むのはもったいない気がします。

では今後はどの分野を強化すればいいのでしょうか?

広報に優秀な人材を配置すべき理由

建設業に限らずWEBやAIが主役になっていく中で、広告宣伝・マーケティング・ブランディングといった分野が今後はより重要になってきます。社内に目を向けても、業務の効率化やデータ分析、資金運用にいたるまで、すべて「IT」に頼る時代になっています。

「営業担当が優秀な会社」のパートで"受注がなければ事業は始まらない"と書きましたが、今は「ファン化」と「集客」がなければ事業が成り立ちません。お客様との最初の接点である「広告」と、自社を際立たせる「ブランディング」こそが最重要ポイントになります。

つまり「お客様と会ってその気にさせる"営業トーク"」より、1つ手前の「イベントへ行く気にさせる"システムや映像"」の出来が業績を左右する時代です。

現在は「広告宣伝業務を誰かが"兼任業務"として片手間に行っている工務店が8割」というデータもありますが、今後もその体制を続ければ会社は衰退していくだけだと思います。

会社の強みうんぬんとは別次元の話で「広報に優秀な人材を配置」しないと生き残っていけない時代がすぐに来ます。それは世の中の全業種に当てはまることなので、「優秀な広報人材」は奪い合いになります。

広報の業務範囲

広報の重要性はわかったけど、工務店でそんなに広報の仕事ある?と感じておられる方も多いと思います。現時点で考えられる「広報の仕事」を列挙してみます。

・年間販促計画づくり(イベント計画、媒体選定、予算組み等)

・各種広告宣伝物の企画・運営(WEB媒体、紙媒体、ホームページ等)※製作は外注可

・SNSの企画・運用(インスタ、フェイスブック、LINE、ブログ等)

・社内のIT化(顧客との接点づくり、情報共有システムなど多数)

まだまだあるはずですし、今後はもっと業務範囲は増えていくと思われます。つまり「作業」というレベルではなく、戦略的視点が広報業務全般に求められる時代になっています。

広報は「広告物をつくる役割」から「経営・営業戦略の枠組みを作り、さらには会社の方向性を先導する役割」へと変わっていっています。

広報に適した人材とは?

(たいへん失礼ながら)これまでは「黙々と与えられた仕事をこなす人」が広報に適しているとイメージされてきましたが、今後は前述したように「戦略的視点」は不可欠です。より具体的な人物像、必要なスキルは以下の通りです。

・会社全体の業務内容、強み・弱み等を分析・体系化し発信できる

・会社の歴史、ミッション、将来像などを深く理解し、わかりやすく言語化できる

・一定以上のIT知識があり、社員それぞれに必要なスキルを伝授できる

・自らプロジェクトを企画し、会社全体を巻き込んで運営できるリーダーシップがある

・常に最新の情報を収集し、自社に必要なものを取捨選択できる

上記すべてをこなせるスーパーな人材を、自社で育てたり、新たに採用することはハードルが高いことは承知していますが、少なくとも「優秀人材は広報に配置すべき」という理由はおわかりいただけたと思います。

工務店がやるべきこと

そもそも「広報」という部署がない、専任担当が存在しないというのが現状だと思いますので、まずは「専任担当者」を設置してください。「新規採用する余裕はない」ということであれば、今いるスタッフで極力優秀な方を「広報専任」に配置転換してみてください。

「エースが抜けるのは困る」と本人も含めて最初は猛反発をくらうことになりますが、その"英断"が近いうちに会社を救うことになります。

「広報に配置転換しても、誰も教えることが出来ない」とお困りであれば、FCを活用するのもアリです(ちゃっかりPRしました)。

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まとめ

「広報を会社の柱にしましょう」という結論に行き着きました。もちろん思い付きで提案しているのではなく、私どもジョンソンホームズやFC加盟店での成功体験に基づいて発したメッセージですが、現実問題として簡単なことではないことも承知しています。

しかしその体制(広報を中心とした組織)に早く移行できた会社が「勝ち組」になっていくと確信しています。

実際に地域トップクラスの工務店は、商品力や技術力以前に、広告宣伝力・マーケティング力に長けているからこその実績です。昨今のWEBが主流の時代においては、企画力・発想力があれば膨大な広告宣伝費は必要ありません

またの機会に当社・ジョンソンホームズの広報部署のこと、ジョンソンパートナーズ加盟店の現状や成功事例についても詳しくお伝えしたいと思っています。その節はまたお付き合いください。

お伝えしたかったこと(振り返り)

・優秀人材の配属先は「自社の強み」部署

・IT化が進むなか、「広報」に優秀人材を配置すべき

・これからの時代の「広報の業務範囲」

・広報に求められる人物像

・広報中心の体制に早く移行すれば「勝ち組」に

いかがでしたでしょうか。ジョンソンパートナーズでは、地域の工務店様ごとに戦略を立てて、成功まで超密着サポートいたします。

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