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こんにちは、ジョンソンホームズ川田です。
皆さんの会社にはいくつ売り上げを生み出す事業がありますか?
新築戸建て一本、リフォーム一本、分譲一本などなど、一本に特化して事業を進めている会社は多いのではないでしょうか?
昨今のように急な地価や物価の上昇、資材の流通が止まるなどした場合や時流の変化で今行っている事業が立ち行かなくなった時、会社として一本特化で事業を行っているとその事業と一緒に会社も立ち行かなくなってしまいます。
一つの会社で複数の事業を運営していくことで会社継続のリスクヘッジになります。
また、事業が増えることで事業責任者も増えた事業の数だけ増えるので、経営に責任を持つ人員が増え、社長の右腕となる社員を量産できるようになります。
今回はマルチブランド戦略のメリットとデメリットについて解説します。
マルチブランド戦略とは
マルチブランド戦略とは、同一カテゴリーの商品やサービスを自社で複数ブランド展開することです。
同一の会社でマルチブランド展開を行っている企業は意外と多くあります。
マルチブランド実例1:TOYOTA「レクサス」
有名な所でいくと、TOYOTAです。
アメリカではメルセデスベンツやBMWが高級車の代名詞として人気がありました。
逆にトヨタ車は「壊れにくい大衆車」という認識が強く、高級車のイメージがありませんでした。
そのため、アメリカの高級車市場獲得を目指して、「レクサス」という新たなブランドを生み出しました。
マルチブランド実例2:ジョンソンホームズ
私たちジョンソンホームズでは、住宅に関わる様々な事業をマルチブランドで展開しています。
新築戸建て部門
- インターデコハウス
└ヨーロッパやアメリカの邸宅をお手本にした輸入住宅テイストのブランド
- ナチュリエ
└自然素材をふんだんに使った、手作りを大切にした価値観の住宅ブランド
- COZY(コーズィ)
└家をシンプルにして、ライフスタイルを充実させるための規格住宅ブランド
- inZONE DESIGN LABO(インゾーネデザインラボ)
└インテリアショップのACTAS代理店「inZONEwithACTUS」の名を冠したインテリアと一緒に家づくりを考えていく住宅ブランド
- アメカジ工務店
└ガレージまたは土間を配して、遊ぶことをライフスタイルの中心とする価値観のアメカジスタイル住宅ブランド
- アクシーズハウス
自社5,000棟を超える建築実績を基に、暮らしやすさとコストにこだわった規格住宅ブランド
新築建売部門
- SOUHOUSE(ソウハウス)
└エリアにこだわって住みたい場所に住みたい家をご提案する建売住宅ブランド
リフォーム
- M+(エムプラス)
└利便性の良く、自分らしい空間づくりが出来る定額制のマンションリノベーション
- ナチュリエリフォーム
└自然素材をふんだんに使った、新築戸建て「ナチュリエ」のテイストを戸建て・マンションのリフォームに再現
- COZY(コーズィ)の中古住宅専門店
└コストと快適性を重視して、物件探しからリフォームまでワンストップ提案する中古住宅リフォーム
外構(エクステリア)
- さっぽろガーデンライフ
└自社新築住宅を中心とした、お庭、ガレージ、物置などの外構工事
インテリアショップ
- inZONE with ACTUS(インゾーネウィズアクタス)
└インテリアショップACTUSの札幌代理店。
北欧デザインやデザイナーズ家具・照明などを取りそろえたインテリアショップ
- ナチュリエスタジオ
└心地よい暮らしが生まれる空間をテーマに、家具、雑貨、アウトドア、DIYアイテムなど、日常使いから趣味まで幅広い商品を展開するインテリアショップ
- Blocco(ブロッコ)
サイズや座り心地、生活環境やインテリアに合わせた張り地(生地)を全て選べるオーダーソファブランド。
札幌近郊3店舗、東京 青山1店舗展開。
飲食
- inZONE TABLE(インゾーネテーブル)
└札幌駅直結のビルにある、北海道のブランド牛「しまざき壮健牛」を中心に多彩なメニューを提供するカフェダイニング
- JOHNSON'S TEA LAUNGE(ジョンソンズティーラウンジ)
└静岡県遠州森町の有機栽培茶葉を用いたドリンクに、自家製のカヌレやサンドイッチなどを取り合せ。
和の文化×洋のエッセンスがポイントなカフェ
- THE JOHNSON BURGER(ジョンソンバーガー)
└札幌駅直結のビルにある、北海道のブランド牛「しまざき壮健牛」を使った本格的な味を手軽なハンバーガーとしてご提供する飲食店
その他
- 不動産相続の相談窓口
└不動産相続を持つ人の悩みにこたえ、家族がトラブルになることなく資産がきちんと引き継がれるよう、経験を積んだ不動産・住宅のプロがサポートする不動産相談窓口事業
- ジョンソンのほけん屋さん
└住宅購入に必要不可欠な火災保険と、家族のための生命保険を取り扱う保険事業
- ライフスタイル倶楽部
└楽しい暮らしのきっかけづくりをお手伝いする、さまざまなアクティビティやワークショップをご案内するイベント事業
- ジョンソンパートナーズ
└ジョンソンホームズの成功実績と加盟店様成功ノウハウをもとに、全国の住宅会社様へ住宅商品ブランドの提供や企業マーケティング・集客、経営戦略のお手伝いなど工務店経営をトータルでサポートする住宅フランチャイズ事業
最初は輸入注文住宅一本で手掛けていた会社ですが、景気変動やライフスタイルの変化に対応が出来るよう住宅ブランドを増やし、リフォーム展開や建売、インテリアや飲食など住宅のマルチブランド化のほかに様々な業態でマルチブランド戦略を展開しています。
こうすることで、今回のような急激な新築注文住宅の需要減少においても建売やリフォーム・リノベーションで住宅事業の売上をカバーしたり、飲食やインテリアで新たな顧客獲得をすることが出来ています。
マルチブランド戦略のメリットとデメリット
マルチブランドは推進することによって同一地域の商圏でさらに売上を伸ばしたり、既存のブランドはそのまま活かしつつ新たな市場開拓を狙っていくことが出来るなど、事業規模を拡大するうえで非常に有効な手段となります。
しかし、メリットだけではなくデメリットも存在しています。
ここでは、マルチブランドのメリットとデメリットについてご紹介します。
マルチブランド戦略のメリット
- 売上が安定する
- 事業責任者が増やせる
- 同一商圏で業績拡大が狙える
- 部署移動ができ、リストラを回避できる
マルチブランドは自社の同一商圏で複数種類のブランド展開を行うことです。
そのため、販売地域を広げずに新たな顧客層へアプローチすることが出来るようになり、会社の規模拡大が見込めます。
従来の考え方では、売り上げを伸ばすために自社の事業と全くシナジーのない新規事業を始めたり、他県に事業所を設置して新たな商圏で勝負をすることが一般的でしたが、そういったリスクを軽減することが出来ます。
また、マルチブランドにすることで事業の数が増えるため、必然的に事業責任者の数が増えていきます。
そうすることで、経営感覚を身に着けたスタッフが増えたり、早くから若手社員を責任のあるポジションに着かせることが出来るようになるなど社員育成にも効果があります。
経営者目線で仕事が出来るスタッフは経営者の右腕となる貴重な人材ですので、それが増えることは企業が安定して成長していくことに繋がっていきます。
そのほか、時流の変化で1つの事業が立ち行かなくなってしまったときには部署移動という手法が使えます。
その時盛り上がっている事業部へ移籍させることで、人員不足や余剰を効率的に調整することができ、経営者として一番つらいリストラなどの人員削減手段を回避できます。
マルチブランド戦略のデメリット
- 管理会計の知識が必要になる
- 経営計画の難易度が上がる
- 経営資源が分散する
マルチブランドはメリットばかりではありません。
マルチブランドには管理会計の知識と導入が必須です。
管理会計とは
外部への報告に使う財務会計と違い、会社内部の経営状況の把握や意思決定に活用すること
部署ごとに売上、粗利、経費、利益を分けることで、それぞれを1つの会社に見立てて独立採算で事業を行っていきます。
そのため、経費感覚をしっかり持っている責任者を育成しなければ上手く行きません。
また、経費が分かれているため会社全体で大きな資金を投入した販促活動・プロモーションに制限が出てきます。
そのほか、経営者は複数のブランド・事業についてそれぞれ目を配る必要が出てきますので細かな状況把握がしやすくなる半面、経営資料が煩雑になります。
また、部署ごとの独立採算のために繋がりや関心が薄れ、セクショナリズムが生じやすくなります。
近しい部署とのスムーズな連携が取れなくなると、会社全体の利益低下につながる恐れもありますので、社内横断でプロジェクトを作ったりして、部署間交流を促進する施策が必要になってきます。
マルチブランド戦略のやり方
マルチブランド戦略をやるためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
- 新たなブランド(事業)を企画する
- 組織を分ける(独立採算化)
- 組織の長を作る
新たなブランド(事業)を企画する
まず、マルチブランドをはじめるために自社で新たに取り組む事業を企画しましょう。
その際、初めは自社で今取り組んでいる領域に近いものから派生した事業を企画することをおすすめします。
私たちの事例(ジョンソンホームズ)でいうと元々完全注文のヨーロッパ、アメリカの邸宅をイメージした輸入住宅の販売から派生して輸入住宅のテイストはそのままにデザイン規格を揃え、北欧・南欧・北米テイストが選べるインターデコハウスというブランドをスタートしました。
これは、従来のスタッフの能力・知識を活かしたまま事業をスタートさせることが出来るため、育成効率アップや事業立ち上げ費用の圧縮、立ち上げスケジュールの大幅な短縮が見込めるからです。
その際は、顧客層が食い合わないように価格帯を分けたり、打ち出し方を変えるなどブランディングの部分で差別化が出来ているかをしっかり計画してブランド(事業)を作り上げましょう。
派生事業が上手くいき、自社でマルチブランド戦略の土壌が出来上がったら、全くの別事業を新たに立ち上げても成功確率が上がってきます。
まずは自社のいま行っている事業から派生できる新規事業・ブランドはないか模索してみましょう。
組織を分ける(独立採算化)
マルチブランド戦略を機能させるためには、組織をしっかりと分けることが重要です。
マルチブランド戦略が上手く行かない企業がよく陥りがちなのが、ブランドを複数立ち上げたのに、販売する営業担当者が兼任で営業活動を行ってしまうことです。
営業担当が兼任で様々なブランドを担当すると、ブランド一つ一つの愛着が薄れてしまったり、営業トークが洗練されず、契約率が下がるなどのデメリットが発生します。
大抵の営業マンは、毎月の数字目標が定められていて、目標達成するのに必死です。
住宅会社の営業マンを例に挙げると、規格住宅やローコスト住宅など短期で結果が出る商品のみを販売するようになります。
そうして必然的に高所得者向けのハイブランド住宅や注文住宅の受注が減ります。
規格住宅やローコスト住宅は利益率が抑えられている傾向にあるため、結果として会社全体の収益悪化に繋がります。
さらに、高級層のお客様への販売能力が下がるため、企業ブランディングの低下も招きます。
こういったことを防ぐためにブランド毎に組織を分けて、商品併売の禁止を徹底しましょう。
組織の長を作る
独立採算制を採用することで、各部署のマネージャーには、今まで以上の権限と責任が任されることになります。
今までの「営業数字を管理するだけのリーダー」ではなく、ブランディングから組織の人員のモチベーションや業務効率、販促手法や広告経費など1つの会社の社長のようなスキルをもつ人材が必須です。
マルチブランドを任せるマネージャーは以下の基準を出来るだけ満たしている人材を選任しましょう。
- 社内推薦者がいる
- 人に指示命令が出来る
- 決断が速い
- 部下への指示がシンプル
- 社内の力関係が考慮されている
- 意欲的で若い
- クリエイティビティがある
上記7つの要素が出来るだけ揃っている人材が望ましいですが、なかなか社内にそこまでのスーパーマンはいないのが実情です。
優先すべきは意欲的で若く、社内推薦者がいて、部下への指示がシンプルな人が向いているでしょう。
その他は経営者の適切なフォローと責任者自身の成長努力で後天的に身に着けていく環境を整えていきましょう。
クリエイティビティは後天的に身に着けるにはハードルが高いので、既にブランディングが形成されたフランチャイズなど外部サービスを活用することが近道です。
また、決断の部分は各種コンサルタントを利用することで、ブランドマネージャーの負担軽減になりますので、自社に合って、並走してくれるようなコンサルティング会社があったら活用することをおすすめします。
まとめ
マルチブランド戦略を実行するためには、現行の社内組織体制を大幅に変更する必要があります。
京セラのアメーバ経営のような独立採算制の導入や、組織の細分化を進めて各セクションの長が責任をもって自分たちのブランドを運用していくことで、企業の収益を最大化したり、幹部候補の社員を量産できるようになります。
私たちジョンソンパートナーズでは、自社のマルチブランド戦略ノウハウと5つの住宅商品ブランドをもとに、全国50店舗を超える工務店様の支援を行っております。
担当スタッフが各店舗様に毎週のTVミーティング、毎月の訪問支援など密な工務店経営支援サービスを行っています。
マルチブランド戦略を検討しているが新たなブランドを自社で開発するほどコストや人的リソースが割けない。
自社の経営に並走してくれるコンサルティング会社がいない。
上記のお悩みがございましたらぜひ一度ジョンソンパートナーズへご相談ください。
また、Facebookでも日々中小企業の経営者様が抱える経営課題の解決に繋がるような発信をさせていただきます。
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