住宅会社が考えるべきマーケティング戦略とは?

売れる仕組み / マーケティング
2017年04月26日 by 金子 祐介

目次

「マーケティング」とは、顧客が求める商品を開発し、作り、届け、使ってもらい、満足を得るためのすべての活動のことを言います。
その中で重要なことの一つが見込み客を集めて商品の良さをアピールし、理解を得て、購入を促すという集客・販売促進の段階です。

実は住宅会社が扱う「住宅」という商品は、マーケティングが難しい側面があります。
だからこそ、住宅会社はマーケティングの基本を知った上で集客のアイディアを考えなければなりません。

住宅を買おうとする顧客心理の考え方

まず、現在でも通用するマーケティング戦略の基本「AIDMA(アイドマ)の法則」から考えていきましょう。
AIDMA(アイドマ)の法則は、1920年代から知られているセオリー(理論)のことです。
人が商品を買うときの心理状態の段階を

Attention(注目)」⇒「Interest(興味)」⇒「Desire(欲求)」⇒「Memory(記憶)」⇒「Action(購買)」

このようにモデル化した際の頭文字と取って出来た言葉が「AIDMA(アイドマ) 」です。

AIDMA(アイドマ)の法則

AIDMA(アイドマ)の法則」をある炭酸飲料のテレビCMを例に挙げてみます。

注目(Attention)

家でTVをつけたままくつろいでいるとき、急に気を引く音楽が流れ、思わずTV画面に目が向いた。
これが「注目(Attention)」の段階です。
CMの冒頭で印象的なサウンドを使うことが多いのは、これが理由です。

興味(Interest)

TVではおいしそうな炭酸飲料のCMが。
「ちょっといいかも...」と思ったら、それが「興味(Interest)」の段階です。
「注目」とは違い、商品そのものに興味を持ってもらう段階です。

欲求(Desire)

その炭酸飲料を買うと、今なら自分の好きな人気映画キャラクターのフィギュアがついてくるそうです。
「これは欲しい」と思ったら「欲求(Desire)」の段階です。

記憶(Memory)

その商品を買うためには、「記憶(Memory)」しておかなければいけません。
そのため、覚えやすい名前やパッケージデザインが必要になります。

購買(Action)

翌日、会社の帰りにその炭酸飲料を無事買うことができました。
これが「購買(Action)」です。
この段階で重要なのは、商品を店に配送し陳列しておくロジスティックスです。

住宅のような高額商品の場合は「AIDMA」ではなく「AIDCA」

炭酸飲料を例に挙げてAIDMAをご紹介しました。
しかしこれは本来小売り店頭で売られる安価な消費財に向く考え方のため、住宅のような高額商品についてはそれを少し変形した「AIDCA(アイドカ)の法則」のほうが適切です。

AIDMAとの違いは、記憶(Memory)ではなく、確信(Conviction)になります。

住宅のような高額商品は、比較的安価なドリンクなどと違って、「新製品だから試してみよう」と買う人はおそらく存在しません。
失敗しないようにあれこれ調べて何度も考えて、「これならいける!」と思えた時にようやく購買に至るため、記憶ではなく「確信」が重要になるのです。

住む前に暮らしをイメージするのが難しい

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お客様にとって、住宅は「幸せな暮らし」のために買うもの。
しかし、住む前に実際の暮らしをイメージするのは難しいのが現状です。

そのため、お客様は、AIDCAの法則でいう「A(興味)」「I(欲求)」の段階では、独自の間取りや豪華な設備等の非本質的な部分に目を奪われがちになります。

住宅のマーケティングでは、「注目」「興味」の段階から、「幸せな暮らし」に目を向けさせるような策を組み立て、お客様の意識を育てていかなければなりません。

長年使って初めて分かる価値は、オーナー様が一番知っている

住宅は多くの人が長い間住み続けるものですが、住宅を長持ちさせるためにはこまめな点検修理が必要で、住宅会社の「見守り続ける」姿勢が欠かせません。
その姿勢を貫き、長年使われて初めて価値を納得できたときに、「確信」が得られるものです。

つまり、住宅を買おうとする施主にとっての「Conviction (確信)」をアピールできるのは、長年住み続けて安心を得ているオーナー様です。

住宅マーケティングでは、オーナー様やその家族と見込み客の縁を作る集客イベントを開くことが有益だと考えます。

しかし、注意しなくてはいけないのが、ビジネスとは関係なく会う機会を作ることが必要だということです。
もちろん、「オーナー様の声」を事例集にしても役に立ちますが、事例集は会社がセールスのために作るものということが明確なため、説得力には限界があります。
ビジネスとは関係なく、会社の顧客から直接話が聞けることが望ましく、そのためにはオーナー様にも楽しんでもらえる集客イベントに、見込み客を招くのが最も良い方法です。

まとめ

住宅についての知識を持たないお客様は、非本質的な部分に目を奪われがちです。

その本質を最もよく伝えられるのは、実際に住んでいるオーナー様。

オーナー様やその家族と見込み客の交流の機会を通して、「暮らしをイメージさせる」ことが住宅のマーケティングの鍵を握ります。

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