工務店もDXが必要な理由とは?メリット・デメリット、手法も解説

売れる仕組み
2025年02月27日 by 川田 新平

目次

こんにちは。ジョンソンホームズ川田です。

ここ最近、さまざまな業界で「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の導入が進んでいます。

DXとは、組織やビジネスがデジタル技術を活用し、業務プロセスや顧客体験を革新することです。

これにより、効率性の向上や新たな価値の創出が可能となります。

工務店にもDXは必須となるでしょう。

今回は、工務店にDXが必要な理由について解説します。

DXを導入するメリット・デメリット、具体的な手法についてもご紹介しますので、ぜひご覧ください。

DXとは?工務店にDXが必要な理由

さまざまな分野で、導入が欠かせないといわれているDX。

DXとは、「デジタルトランスフォーメーション」の略。

「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という仮説のことです。

企業や組織がデジタル技術を活用して、ビジネスや業務の運営方法を根本的に変革することを指します。

DXは、企業や社会が急速に変化しているデジタル環境に対応するためには必要不可欠なものとなりました。

DXは、ITツールの導入だと考える人が大半かもしれません。

しかし、ITツールの導入はただの手段で、DXの本質は「ITで人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という目的の達成にあります。

工務店にDXが必要な理由

現場作業が多いと考えられがちな工務店にもDXが必要な理由を見ていきましょう。

コロナ禍による消費者の変化

新型コロナウイルス感染症の影響により、オンライン化が急速に進み、消費者のライフスタイルが大きく変化しました。

工務店も、自社の魅力をオンラインで効果的に発信しなければ、新規顧客獲得が難しくなっています。

工務店はオンラインでの商談や顧客対応に対応できる体制を整えるなど、柔軟に変化することが求められています。

2025年の崖

「2025年の崖」とは、IT人材の不足や古い基幹システムの限界によって、2025年〜2030年ごろにかけて大きな経済損失が発生する恐れがあるという問題です。

これを回避するためには、工務店もDXを進め、システムの刷新とIT人材の確保をすることが必要不可欠です。

法改正と生産性向上

労働時間規制や省エネ基準適合義務化など、建設業界の法改正に対応するためにも、DXを活用して業務を効率化することが求められます。

SFA(営業自動化)、CRM(顧客管理)、BIM(3次元設計)などのITツールを導入することで、業務の効率化や生産性向上が期待できます。

これらのシステムを活用することで、現場と経営のギャップを減らし、スムーズな業務進行につながるでしょう。



工務店が抱える課題については下記コラムでご紹介していますので、あわせてご覧ください。

工務店の課題は?生き残り戦略は新たな事業領域開拓にあり

工務店DXには情報のエンゲージメントを高めることが重要

工務店はセクションごとにさまざまな業務があり、非常に複雑です。

専門性も高いため、営業マンは工務の仕事をよく理解していない場合が多く、逆もまた然りです。

お互いが業務を把握していないと、あらゆる場面で意見の相違や衝突が起こります。

お互いの業務や会社の経営状況を全員がある程度理解できる環境を作ることで、イザコザが起こるのを未然に防ぐことができます。

地域工務店のDXでは業務内容や経営状況、今起こっている問題などの社内情報を効果的に共有していくことが重要です。

全員が同じ情報を共有・把握している情報のエンゲージメントが高い状態を作ることで、部門間協力や年間計画策定がスムーズに進みます。

情報のエンゲージメントを高める方法

ジョンソンホームズでは、週2回30分程度の時間でオンライン朝会を実施しています。

ここで、業績の共有を私自身が行なっています。

経営者として気になる数字や重要だと思う指標を解説しながら、業績の進捗を共有しています。

フランチャイズ(FC)のジョンソンパートナーズでも同じように、毎週1回加盟店様に向けてオンライン配信を行なっています。

コロナ禍で私たちの営業担当が訪問できない時期が続いたり、毎年行なっていた全国大会が中止になったりして情報が共有されにくくなったなと感じたことをきっかけに始まりました。

オンライン配信については、のちほど詳しく解説します。

工務店がDXを導入するメリット・デメリット

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工務店がDXを導入するメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。

工務店がDXを導入するメリット

工務店がDXを導入するメリットは次のとおりです。

メリット①顧客サービスの質が向上する

顧客情報を一元管理することで、スタッフ全員が顧客の状態を共有でき、サービスの提供がスムーズになります。

オンライン相談やバーチャル展示場などを活用すれば、お客様が直接訪れなくても自社の強みを理解してもらいやすくなるでしょう。

メリット②利益と生産性が向上する

オンラインでの商談や、顧客管理システムの導入によって、遠方や忙しいお客様など、従来アプローチできなかった層に対してもサービスを提供できるようになる点も大きなメリットです。

そして、クラウド型システムを導入すれば、情報の共有が一段と簡便になり、社員のテレワーク環境も整備できます。

従来の紙やエクセルでの管理では時間がかかっていた顧客情報も、データベース化によって瞬時にアクセス可能になります。

メリット③コストを削減できる

DX導入にあたり初期費用はかかりますが、長期的に見れば、広告や宣伝にかかる費用を大幅に削減できます。

Webを使った集客に切り替えることで、無駄な経費を抑えつつ、データ分析に基づいた効果的な広告運用が可能になるでしょう。

工務店がDXを導入するデメリット

続いて、工務店がDXを導入するデメリットは次のとおりです。

デメリット①初期投資と運用コストがかかる

DXを始めるには初期投資が必要で、システム導入後のランニングコストや、既存システムからの移行費用も発生します。

即効性があるものではなく、成果が現れるまで時間がかかることもあり、これに耐えられない企業もあります。

なお、DXで顧客データを一元管理するとなると、セキュリティ対策が非常に重要です。

もしシステムのセキュリティが破られれば、大量の情報流出のリスクも。

強固なセキュリティを維持するためにはコストと手間がかかるため、導入時には十分な対策が求められます。

デメリット②新しい方法に対して社内で抵抗が起きる可能性がある

長年の業務慣習や古いシステムに依存している工務店では、新しい技術や方法を導入することに抵抗が生まれることがあります。

社員の教育や新たな人材を投入する必要があり、全員がスムーズに順応できるわけではないため、この点での摩擦も予想されます。

工務店DXの取り組み事例・手法

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工務店がDXを導入する際に取り組みたい事例や手法について、具体的にご紹介します。

オンライン配信

2020年から、ジョンソンパートナーズの加盟店様に向けて毎週金曜日に、オンライン配信をしています。

ジョンソンパートナーズの加盟店は全国に50を超える店舗と、100名以上の営業マンが日々活動されています。

現状報告会を配信しているのですが、その中で契約者発表、業績の進捗状況報告、受注ランキング発表というのが、私の担当する主なパートです。

この配信を始めたのは、オンラインで自社の経営会議を行なってみたところ、オンラインならではの良さを実感したこともひとつです。

そこで、業績の進捗を"実況中継"しています。

このパートでは自店の進捗、加盟店様全体での進捗状況を把握できます。

時には全国の動きが自店や個人にとって良い刺激になったり、全国の各店舗が一社であることのつながり感を感じる場面があったり。

それが次のアクションにつながれば、という思いがあります。

もちろん、直営店であるジョンソンホームズの業績進捗状況も実況します。

うまくいっている様子も苦しんでいる状態も、どんな対策を考えているかも、すべて共有したく、包み隠さずお話ししています。

月締め後は受注ランキングも発表しています。

自分が全国の上位に入っていることを知ると、やはりテンションが上がるでしょうし、さらなる弾みとなり得るだろうと思うのです。

全体に前向きな空気をつくることが私の役割で、住宅営業という仕事の"楽しい"や"うれしい"が、伝播していったら良いなと考えています。

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オンライン配信ではさまざまなコンテンツの発信を行なっております。

  • 契約者発表
  • 業績の進捗状況報告
  • 受注ランキング
  • キャンペーンの発表・進捗報告
  • 加盟店様集客事例
  • 業界情報

それでは、上記について軽く内容に触れていこうと思います。

契約者発表

私たちジョンソンパートナーズのフランチャイズ商品(インターデコハウス・COZY(コーズィ)・ナチュリエ・ハグハウス・アメカジ工務店)を日々販売している営業担当の方の契約を、毎週報告会で一人ひとり発表しています。

月に1回以上発表される毎月受注の常連さんもいれば、人生初受注を決める新人さんもいて、いつもワクワクした気持ちで契約者発表に臨んでいます。

契約者の発表では、その週に契約を獲得された方を一人ひとりクローズアップします。

そして、成約に至った経緯やポイントなどとともに、私のお祝いの気持ちや応援メッセージをお伝えしています。

「自分のすごさに気づいていない、成果を喜んでくれる人がいるのかわからない」

そうした営業さんが多いのではないか、それなら私が喜びたい、喜んじゃおう!と、一人ひとりに言葉をかけています。

毎週のこの配信によって、例えば今週は20名の、次の週は違う20名の方の心に火がつき、前向きに挑戦していこうというエネルギーになったら、というのが意図するところです。

業績の進捗状況報告

各フランチャイズ商品の店舗ごとに受注件数や土地買付、事前審査、当月勝負の案件などを共有・発表しています。

もちろん、直営店であるジョンソンホームズの状況についてもお話ししています。

受注ランキング

月締め後に、前月の受注ランキングを発表しています。

各フランチャイズ商品別、店舗別、企業別、個人別でグラフにしてわかりやすくお伝えしています。

コロナ禍でもトンデモ数字を達成している営業マンや企業を見ていると、どんな活動をしているのか気になったり、成功している企業を参考にして実行してみたというような事例が出てきています。

キャンペーンの発表と進捗報告

毎年3回に分けて行うキャンペーンの発表とその後の資料請求、集客、契約の進捗の確認を行なっています。

紙資料のみのキャンペーン概要ではなく、配信を使うことで浸透度や理解度が上がり、コロナ禍ながら過去最高の月間契約実績を達成しました。

加盟店様集客事例

加盟店様と私たちの営業・マーケティングスタッフが企画した集客イベントの工夫や成功実例を発表・共有しています。

北海道から九州まで全国の成功実例を集めることで、今まで考えたこともなかった集客アイデアが生まれました。

<例>

  • モデルハウスでピザ焼き体験+見学会
  • 地元カレー屋とタッグを組んでカレーを食べながらお家づくり相談会
  • モデルハウスを使ったグランピング体験 など

業界情報

日々業界紙やWebサイトで発信される情報をまとめて、重要事項を加盟店様にお届けしています

<例>

  • 4号特例の縮小について
  • 省エネ基準適合の義務化に関する詳しい内容
  • インボイス制度への対応方法

業界情報を耳にしていたが具体的にどう対処していけば良いのか直営店や全国の事例を紹介などを行うなど、忙しい工務店様の日々の業務のサポートになる内容をお伝えしています。

ジョンソンホームズが行なっている施策については、下記コラムでもご紹介していますので、あわせてご覧ください。

変化に対応できる組織とは?特徴や組織のつくり方を解説

Web集客・オンライン集客

Web集客は、効果的なマーケティング手法です。

お客様が情報収集を行うために、Webは欠かせません。

これを活用するために、SFAやCRMシステムを導入し、データに基づいた集客を行いましょう。

具体的な施策として、WebサイトやSNSのコンテンツを顧客のニーズにあわせて最適化することが重要です。
また、SNSやリスティング広告などを駆使することで、地方工務店でも効果的な集客が可能になります。

オンライン商談・打ち合わせ

オンライン商談は、ZoomやGoogle Meetなどのツールを使用し、顧客とリモートで打ち合わせを進める方法です。

移動時間や交通費を削減でき、営業活動の効率化が図れます。

特に、遠隔地にお住まいのお客様やご多忙で時間が取りにくいお客様、お子さんが小さく外出が難しいお客様には、商談のハードルを下げることができ、商談の回数を増やしやすくなります。

オンライン商談の導入により、対面での商談と同様の品質を確保しつつ、利便性が向上します。

バーチャル展示場

VR技術を使って、住宅展示場をオンラインで体験できるバーチャル展示場が注目されています。

これにより、顧客は自宅から展示場を見学することができ、来場の手間を省くことができます。

遠方からの集客にも対応でき、集客範囲を広げることができますよ。
VR展示場を導入するための初期コストはかかりますが、長期的に活用できる効果的な方法です。

顧客管理・データベース化

顧客管理を効率化するためにCRMシステムを導入し、顧客情報を一元管理することができます。

これにより、社内での情報共有がスムーズになり、業務の属人化を防ぐことができます。

さらに、お客様のニーズに合わせた提案やアプローチが可能となり、契約率や業務効率が向上します。

過去の顧客情報を活用することで、再度の依頼や新規顧客の獲得にもつながるでしょう。

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工務店のDX導入は必要不可欠な施策

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、企業や組織がデジタル技術を活用して業務運営を革新するプロセスです。

工務店もコロナ禍の影響で消費者ニーズが変化し、オンライン対応が求められています。

また、2025年に予想される「2025年の崖」を避けるためには、IT人材の確保とシステム刷新が不可欠です。

DXの導入により、業務の効率化やお客様サービスの質向上が期待できますが、初期投資や運用コストがかかる点や、導入に至るまでに社内から抵抗を受けることがあるといったデメリットも。

DXの実際の取り組み例としては、オンライン商談やバーチャル展示場、顧客管理システムの導入が挙げられ、これらは業務の効率化や集客活動に寄与します。

経営のヒントを知りたいという方は、ぜひ一度ジョンソンパートナーズへご相談ください。

ジョンソンパートナーズでは、自社直営店で培ったノウハウを基に、全国のフランチャイズ加盟店様へマーケティングに関するアドバイスも行なっております。

私たちは、住宅フランチャイズサービスを通して全国の工務店様の経営を支援いたします。

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