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「ブランディング」と「マーケティング」の違いを、正確に把握されている方は経営者のなかでも意外と少ないのではないでしょうか。
両者ともに経営にとって重要な施策であるにもかかわらず、お客様に対しての外向きの行動という意味では同じカテゴリーに属するため、しばしば混同されがちです。
違いをしっかり認識しなければ、効果的なブランディング活動やマーケティング活動が行えません。
ここでは経営者にとって重要となるブランディングとマーケティングの違いと、このふたつをどのように組み合わせて実行していくかについて解説していきます。
「ブランディング」と「マーケティング」の違い
ブランディングとは、会社側が伝えたい自社の印象やイメージを「お客様に思ってもらうこと」を言います。
マーケティングは、会社側が自社のイメージを「お客様に伝えること」を言います。
どちらもお客様側へのアプローチではありますが、それぞれの活動の仕方も違います。
「ブランディング活動」と「マーケティング活動」の違い
「厳選した素材と素晴らしい経験を持つ職人たちの腕によって作られる、『高品質な家』」を扱う住宅会社を例に、ブランディング活動・マーケティング活動の違いを見てみましょう。
ブランディング活動
この例でのブランディング活動は、お客様が「あなたの会社は、非常に高品質な家を扱っているね」と思ってもらうような戦略を立て実行することを指します。
そもそも自分の会社に対するイメージや商品について、どのように思ってもらいたいかを明確にすることでブランディング活動を効果的に行うことができます。
マーケティング活動
商品のアピールポイントをお客様側に思ってもらうための活動「ブランディング活動」に対し、マーケティング活動は、自分の会社のほうから「うちが扱う家はとても高品質です」と訴えかけていくことを指します。
ブランディング活動で定義したブランドコンセプトやイメージを、いかにして多くの人に知ってもらうか、といってもいいでしょう。
マーケティングの手法は、テレビCMや駅のポスター、WebサイトにSNSなど多岐にわたります。企業によっては、本を執筆することで自社のブランドイメージを伝えることもあります。
重要なのはブランディングとマーケティングのバランス
ブランディング活動とマーケティング活動は、両方のバランスをとって企業活動を支えることが大事だと考えられています。
どちらかが大事でどちらかは無視して構わない、ということはありません。
例えば、上記の住宅会社を例に置くと、マーケティング活動の一環としてチラシ広告を始めたとしても、このチラシがペラペラの紙に手書きの見取り図だとしたら、チラシを受け取った人は「高品質な家を扱う会社だ」とは思えません。
ブランディング活動とマーケティング活動が、車の両輪のようにがっちり組み合い実行されることが重要なのです。
ではこの両輪を回すためには、どうすればいいでしょうか。
マーケティング活動で欠かせない「ブランディング」をしっかり固める
マーケティング活動 は「 ブランドイメージを数多くの人に広げる活動」です。
ブランディングが固まっていない状態でマーケティング活動を行うことは本末転倒です。
まず、ブランディング活動をしっかり行うことが第一のステップになります。
ブランドイメージは「ロレックスだから買う」といったような「お客様が思う価値」そのものです。
自社と競合の特徴を観察し、どのダーゲットにどのような価値を提供すればお客様に受け入れられるのか、十分に議論を重ねましょう。
ブランドイメージを意識したマーケティング手法を考える
ブランドイメージが決定したら、それを伝えるための「マーケティング手法」を考えていきます。
今はテレビCMや新聞への折込チラシといったコストのかかる手法だけでなく、WebサイトやSNS、ブログなど、コストがほとんどかからないマーケティングチャネルも多数あります。
しかし、それゆえに「どのチャネルをどう使うとブランドイメージが伝わるか」という視点が抜け落ちしまう危険性が高くなっています。
・複数のSNSアカウントを開設してブログもはじめてみたけれど、どれも有効活用できずに放置されてしまう
・広告チラシのイメージとWebサイトのイメージが合っておらずにお客様に混乱を招いてしまう
このようなことがないよう、マーケティングチャネルが統合的にブランドイメージを表現するように注意しましょう。
まとめ
ブランディング活動とマーケティング活動は混同されやすい活動ですが、両者の違いを正しく理解することが大切です。
ブランディング活動は「お客様にどう思ってもらうか」であるのに対し、マーケティング活動は「お客様に伝える」ことを言います。
両者の整合性を保ちながら活動を続けることが重要です。