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こんにちは、ジョンソンパートナーズ小松です。
工務店が見学会や相談会のイベントを行う際に来場特典を設定することがあります。
QUOカードなどの金券であったり、そのイベントに沿ったノベルティを用意してイベントの満足度を高めたり、広告・販促物に表記することで獲得単価を下げられるため、コストパフォーマンスの良い集客をすることが出来るようになります。
しかし最近は、来場特典を付けることで集客効果が高まることが周知された影響で業界全体の特典の高額化が進み、住宅を真剣に検討していない特典目当ての来場が目立つようになりました。
今回は、来場特典のノベルティが本当に集客・受注に効果があるのかを検証し、より効果的な特典内容の設定法則と特典目当て来場の防止策についてお伝えします。
見学会来場特典のメリット
見学会来場特典は集客件数をはじめとして様々なメリットがあります。
- 広告効果の上昇
- 世界観の体現
- 見込客選定精度の向上
広告効果の上昇
広告に特典を掲載することで、お客様の目に留まりやすくなります。
イベントページへの流入を容易に増やすことが可能になるため、広告の費用対効果が上昇し、結果として来場件数が増えます。
世界観の体現
見学会物件のコンセプトや商品ブランドに合わせた来場特典を設定することで、より世界観を表現することが出来ます。
例:キャンプ好きに向けたコンセプトの物件の完成見学会にキャンプ用品の来場特典を用意
見込客選定精度の向上
特典をお渡しする条件の設定を行うことで、見込客の選定をすることが出来ます。
- お家づくりを真剣に検討している方
- 1年以内にお家づくりを考えている方
- アンケートに回答頂ける方
- WEBから予約いただける方
- 商談の席に乗っていただける方 etc
敷居を設けることでお客様の本気度を計りやすくなるため、既に戸建て建築済みの方やそもそも家を建てる気がない方に商談時間を割くことをせずに済むため営業効率が向上します。
来場特典のパターン分析
今回は、私たちジョンソンパートナーズの加盟店のW工務店様で2022年の7月から9月末にかけて実施した3パターンの来場特典の内容と提供条件を効果検証した結果についてお伝えします。
実施背景
W工務店様では、特にこの5月以降は集客数、特に商談につながるような「有効集客数(率)」が目に見えて落ち込んでしまいました。
対策のひとつとして取り入れたのがQUOカード。
業種を問わず誰からも喜ばれる今やノベルティの王道です。
検証パターンと結果
7月から9月からの3か月間に実施したイベントにおいて、QUOカードの価格・提供条件など3つのパターンでどのように成果が異なるかの「実験」を行いました。
■パターンA
7月15日~8月10日(約1か月)
QUOカード価格:平日6,000円 土日2,000円
提供条件:
なし(来場者全員に配布)
結果:
- 来場予約=10件
- 有効名簿=4件
- 有効名簿率40%
■パターンB
8月10日~8月31日(約20日間)
QUOカード価格:平日6,000円 土日2,000円
提供条件:
- 概ね1~2年以内に、新築を検討中の方
- アンケート記入をして頂ける方
- 弊社から提案をお受け頂ける状況にある方
結果:
- 来場予約=10件
- 有効名簿=6件
- 有効名簿率60%
■パターンC
9月1日~9月22日(約20日間)
QUOカード価格:全日5,000円 (正確にはここからデジタル版の「QUOカードPAY」へと変更)
提供条件:
- WEB予約で「事前アンケート」全て記入の方
- 概ね1~2年以内に、新築を検討中の方
- アンケート記入をして頂ける方
- 弊社から提案をお受け頂ける状況にある方
結果:
- 来場予約=9件
- 有効名簿=7件
- 有効名簿率78%
パターン別条件まとめ
- QUOカードの価格変更(A&B=平日6,000円・土日=2,000円 C=5,000円)
- QUOカードの種類(A&B=通常のカード※来場当日に現物支給 C=QUOカードPAY※デジタル版。メールアドレス等を聞いて送信)
- 特典提供の条件を変更(A=なし B=条件3つ C=条件4つ)
結果に関する考察
来場特典をQUOカード(金券)にした場合、おおむね5,000円程度が効果の最大化に繋がることがわかりました。
ただし、地域の競合他社とのバランスを見る必要があるため、全国共通で効果が出るわけではありません。
採用する場合は競合他社のイベント開催状況・特典に関する調査が必要です。
そのほか、特典の内容(金額)だけではなく、配布方法についても検討することが重要だということが分かりました。
3パターンの検証を行った結果、来場特典を得られる条件のハードルが高ければ高いほど「有効名簿の取得率」は向上することがわかりました。
来場特典をより良くすることで広告の効果が最大化され、イベント来場数・予約数が向上します。
さらに特典を得られるハードルが高くなることで「ひやかし」や「特典目当て」を排除することができ、来場数・予約数を確保しつつ有効名簿の割合が増える結果となりました。
有効名簿のお客様へ集中して商談することで、見込み客を獲得する確率が大幅に向上するため、営業効率の向上が見込めます。
また、特典のお渡し方法でLINEを経由する条件設定などを行うと確実にお客様へアプローチできる窓口を開設することが出来ます。
もし商談が中長期化してしまっても、LINEアカウントで繋がっていることで定期的な情報提供が出来るようになり、顧客育成が可能となります。
まとめ
集客減少は集客の冷え込みに加えて、コロナ禍で住宅を検討するお客様は検討社数を2~3社に絞っていることと、大手・地域の有力ビルダーを中心に来場特典の金額引き上げによって集客が集中してしまっていることが要因になっています。
しかし、お家づくりを検討しているお客様は確実に存在しています。
大切なのは「有効名簿の取得率」つまりは「見込み客の多さ」です。
極論を言えばいいお客様さえ取得できれば、集客数自体は問題ではありません。
以前よりも集客にマーケティングを意識して、必要な集客数から逆算した広告費の選定と最大化を図る工夫、競合他社の販促状況の分析が必要です。
ジョンソンパートナーズでは、上記のような「集客・マーケティングの支援」を行っております。
最近集客が落ちた、いいお客様がなかなかいないなどと感じている住宅会社様は、是非一度ご相談ください。