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こんにちは。ジョンソンホームズ FC事業部です。
地域の中小規模の工務店様は、年間12棟2億程度を前後している企業が多いのが実情です。
それは、会社オーナー兼経営者兼トップ営業マン兼工務責任者として、社長が全ての責任者を兼任していることが原因です。
しかし、新築住宅という業種では、社長がいくら頑張っても売上3億が限界ですし、365日休みもなく働くことになってしまいます。
「年間30棟5億を超えたい!」「今後会社を伸ばしていきたい!」なら、トップ営業マン以外に「そこそこ売れる営業マン」を揃えることが近道です。
しかし、人手不足の今、中小工務店では、ある程度売れるキャリアを持った営業マンが中々採用できません。
「そこそこ売れる営業マン」を揃えるためには、未経験の新人営業を即戦力として育て上げる仕組みをつくることがカギです。
そこで今回は、新人営業を即戦力にするための方法や、会社の仕組みづくりなどについてお話していきます。
新人営業の育成がうまくいかない原因
2024年現在、日本全体で人材不足が叫ばれており、住宅業界も例に漏れません。
特に中小企業では人材の奪い合いになっており、採用した人材をどのように育てていくかが重要になっています。
このような時代の中で企業が生き抜いていくためには「仕事に人を合わせる」のではなく、「人材に合わせた仕事の仕組みを作る」ことが必要になってきます。
新人営業を即戦力化するための方法や仕組みづくりについてお話する前に、そもそも、新人営業の育成がうまくいかない原因はどこにあるのか、考えてみましょう。
以下は、私たちジョンソンパートナーズが全国の工務店様の現状を確認する上で共通して確認できた課題です。
よくある工務店様の課題
- 1人の受注(社長or営業部長)で会社の業績が成り立っている
- 営業3年目で年間受注1〜2棟止まりのスタッフがいる
- 社内で育成環境が整備されていない
もしも受注No.1の社員が退職や成績不振、体調不良による長期離脱になると、一気に会社の経営が厳しくなります。
すぐに売れる営業マンを他社から引き抜いたり、年間1〜2棟止まりのスタッフが毎月1棟以上売ってくるエースになったりするのは、非常に難しいでしょう。
このような状況に陥る前に、社内で育成する環境を整えることが、会社の安定した成長につながっていきます。
結果が出ない営業マンが陥るフロー
結果が出ない新人営業は、この図のようなフローに陥ります。
フローに沿ってご説明します。
①結果が出ない/②自信がなくなる/③やりきれない
住宅営業の仕事は知識が必要なので、未経験からすぐ結果は出ません。
結果が出ないことを繰り返していくと、自信を失っていきます。
そうなると、あと一歩のところまでをやり切ることもできなくなり、諦める場面が増えてきます。
④周囲がアドバイス/⑤色々手を付ける/⑥情報が氾濫し思考がストップ
中々成果が出ないので、周囲が心配してさまざまな角度からアドバイスをするようになります。
アドバイスを自分に落とし込む前に周囲が手を差し伸べてしまうため、アドバイスをもらったことも中途半端になり、やりきれなくなります。
何をしても結果が出ないまま、周囲からのアドバイスは飛び続けるため、情報が氾濫し思考がストップしてしまう結果に。
⑦目の前の簡単なことだけを行う
仕事をしている充実感は得たいので、何をやったら良いかわからないまま、チラシポスティングや事務作業など、簡単な目の前のことだけを行うようになってしまいます。
このような状態を放置すると、周囲のアドバイスに聞く耳を持たなくなってしまったり、自信を無くして仕事を辞めてしまったりする事態が起こります。
結果として、社員育成ができない企業のまま変われず、5年後、10年後の発展を描くことができなくなります。
新人営業の育成が上手くいかないと、企業の先輩や上司は、次のように考えてしまいます。
- アドバイスが理解してもらえない
- 自主的に考えて行動してくれない
- そもそもなぜやらないのかが理解できない
結果が出ない営業マンを救うために大事なのは「信じられる成功のシナリオを用意してあげること」です。
基本は個人に考えさせて、失敗を繰り返しながら成功経験を積んでもらいます。
しかし、結果が出ない営業マンのフローに陥っていると、中々自分だけでは抜け出すことはできません。
この場合は考えさせるより「これだけ行動すれば良いからね!」という状況をつくり、考えるべきことを絞ってあげましょう。
「結果責任」は上司が負うことをしっかり伝えた上で「行動責任」をスタッフが全うしたかチェックするフローを形成しましょう。
新人営業が身につけるべきスキル
新人営業を即戦力化するには、次のようなスキルを身につけることを目指しましょう。
- ヒアリング力
- 提案力
- コミュニケーション力
- 課題発見力
営業マンはお客様の話を聞いて、ニーズに合わせたもの、そして、それ以上のものを提案することが大切です。
そのためには、お客様の話を聞くヒアリング力や、最適な商品を案内する提案力が必要不可欠。
また、さまざまなお客様と接することになるため、相手が伝えたいことを汲み取ったり、相手が興味を持ちそうな話をしたりする、コミュニケーション力も大切です。
お客様と話をしていると、お客様も気がついていない課題が見えてくることがあります。
その課題にいち早く気づき、その課題をカバーできる商品を提案するためには、課題発見力もぜひ身につけておきたいスキルです。
新人営業を即戦力化する方法・仕組みづくり
新人営業を即戦力化するには、次の方法を取り入れるのがおすすめです。
- 商品の知識を深める
- ロールプレイングを行う
- OJT・営業同行をする
- 営業活動を仕組み化する
詳しく見ていきましょう。
商品の知識を深める
新人営業は商品の知識がないため、どう販売して良いかがそもそもわかりません。
そのため、まずは商品の知識をインプットする必要があります。
自社のパンフレットを見たり、先輩や上司が研修を行うことも商品の知識を深めることにつながります。
また、会社の仕組みづくりとしては、新人営業が商品を理解した上で販売できるように、わかりやすい商品にすることも大切です。
わかりやすい商品の条件は3つです。
- "コンセプト"がわかりやすい
- "仕様・プラン"がわかりやすい
- "価格"がわかりやすい
①"コンセプト"がわかりやすい
2009年ごろからスマートフォンの普及によって、世の中の情報量は爆発的に増え、流行に乗った商品はみんな知っていて、みんなつくることができるようになりました。
その結果、似た商品があふれるように。
そんな中で住宅を買うお客様は「どれを選べば良いのかわからない」「正直どれもたいして変わらないのでは?」と思うようになっていったのです。
そのため、建物(ハード)よりも共感・感情移入できるかなどのコンセプト(ソフト)で取捨選択する時代が到来しました。
営業未経験の新人営業は会社や商品に接する期間が短いため、自社商品に込めた想いを社長や上司と同じように語ることはできません。
商品愛が薄いと、マネをするだけではお客様に見透かされてしまいます。
そこで大切になるのが、わかりやすいコンセプトです。
コンセプトがわかりやすく定義されていると、若手や営業未経験のスタッフでも早い段階でコンセプトを理解し、お客様へ話すことができるようになります。
わかりやすいことで社内周知・徹底も容易になり、全社で統一の価値観を持って働くことができるようになるでしょう。
②"仕様・プラン"がわかりやすい
仕様・プランが不明確だと、担当者によって商談内容のバラつきが発生したり、お客様の言いなりになって振り回される新人営業が出てきます。
また、仕様やプランが決まっていないと高度なプランニング技術と深い建材知識を求められることになるので、独り立ちするのに時間を要します。
仕様・プランがわかりやすいと、決められたプラン・仕様書を見せるだけで良くなり、大多数の説明が不要になります。
人による仕事のバラつきが減り、ミスが起きづらくなります。
内勤も工程が少なくなり負担軽減につながります。
このように、あえて仕様・プランを絞ることでメリットが上回るケースも大いにあるのです。
③"価格"がわかりやすい
価格がわかりにくい、または決まっていない場合、営業経験者でも明確な価格を即答できません。
見積にかかる時間も増えるため、単純に商談できるお客様や件数が少なくなります。
また、お金はお客様の信頼獲得において重要な部分を占めるため、即答できないだけで信用を失いかねないデリケートな部分です。
しかし、価格が明確に決まっていると、見積がいらなくなるなど商談スピードや効率が大幅にアップします。
価格帯を集客チラシやWEBページに掲載できるので、お客様へ「わかりやすさ」を提供でき、選択肢に残りやすくなります。
さらに、金額が明示されているので値引き対応がほぼ無くなるでしょう。
ロールプレイングを行う
ロールプレイング(ロープレ)とは、先輩や社員がお客様の役を演じて、実際の営業に近い形で行うトレーニング方法です。
最初は、一つひとつ発音しながら、スタッフが自ら言葉の意味を理解していくようにしましょう。
ここでは、説明が間違っていても、できるだけ指摘は入れません。
あまりに細かいところまで指摘をしてしまうと、ロープレに対する拒否反応が出てしまいます。
次に、書いてある通りにマネをして、最後まで話せるようにします。
繰り返していくことで、言葉の意味と流れがつながり、慣れてくると、自分の言葉や例え話を活用して流暢に説明できるようになっていきますよ。
ロープレでは、先輩や上司が客観的なフィードバックを行うことが大切です。
「視野が狭くなっていないか」「営業マンの主観で話を進めていないか」「余裕なく説明をしていないか」といった点を、客観的に見てフィードバックします。
「話してみてどうだった?」や「今のプレゼン自分で何点だと思う?」などと声かけを行い、営業マン自身も客観的に振り返れるようにしてあげましょう。
また、上司からは、「良い点」と「おしい点」をセットで伝えます。
良い点8割、おしい点2割程度にすると、アドバイスを受け入れやすくなり、積極的にロープレを行いたいと思えるモチベーションを保つことができます。
あとは、次にどうしたら良いのか意識する点をヒントとして出し、考えてもらうようにしましょう。
ただし、ロープレは正直やりたくない人がほとんどです。
上司や先輩も同じ内容を何度も聞くことになるので正直飽きてしまい、継続がうやむやになってしまいがちです。
しかし、新人営業には武器がないので、ロープレの精度を徹底的に磨き上げる必要があります。
毎週金曜日の10時~11時など、時間を決めて毎週実施するようにしましょう。
ロープレは回数が大事なので、飽きていても付き合う必要があります。
大切なのは継続して、営業のノウハウを自分の中に落とし込むまでやり切ることです。
18歳の高卒スタッフでも、10回程度ロープレを行えば、1人で30分の商品プレゼンができるようになります。
OJT・営業同行をする
OJTとは「On-the-Job Training」の略で、新人営業に対して、先輩や上司が指導役となり、実務を通して知識やスキルなどを習得してもらうトレーニング方法です。
新人営業はマンツーマンで教えてもらえるため、わからないこともすぐに聞きやすく、先輩や上司の仕事を間近で見られるというメリットがあります。
先輩や上司が営業する際に、新人営業も同行する営業同行では、先輩がお客様と話している様子を間近で見ることができます。
実際に先輩が営業している様子を見ることで、実際に使えるトークや営業手法を知ることができます。
営業活動を仕組み化する
新人営業が営業活動を行う上で「何をやって良いかわからない」という悩みは、営業活動を仕組み化することで解消できます。
営業活動を仕組化するポイントは以下の3点です。
- プレゼンの軸を持つ
- 顧客視点を手に入れる
- 達成する道筋を描く
営業活動を仕組み化するポイントについて詳しくご説明します。
①プレゼンの軸を持つ
住宅営業マンは属人的な部分が多く、大手以外だとマニュアルというものはほぼ存在しません。
実際の営業にもロープレにも活用できる「アプローチブック」を作成しましょう。
アプローチブックとは、営業マンの自己紹介や商品の特徴、会社の想いなどを1つの資料にまとめたものです。
住宅業界では、初回の商談時に利用します。
会社として1つの資料をつくることで、ベテラン社員の属人的な部分も集約されます。
アプローチブックを使うと、営業マンは自分自身が理解していないポイントや、お客様へ説明しなくてはならない部分の把握もできるようになります。
アプローチブックのような「かたち」になったマニュアルがあると、社内の共通理解が深まり、新人営業が迷うことがグッと減ります。
②顧客視点を手に入れる
売れない営業マンが陥る罠として、手に入れた成功パターンを重視しすぎてしまい、"自分が良い説明をすること"に躍起になってしまうことがあります。
何かうまくいかなくても、説明の仕方に問題があったのではないかと考えてしまいがちです。
この状態の営業マンは相手の立場に立って「相手が何を求めているのか」という一番重要な"顧客視点"が抜けている状態です。
視野の狭い状態から、顧客視点を手に入れる方法は「ヒアリングシート」と「案件レビュー」を活用することです。
「顧客の事実情報」から提案を考えることで、今、目の前にいるお客様の悩みを解消するためにはどうしたら良いかという方向へ目線が向くようになります。
ヒアリングシートでは、主に次のような項目を用意しておくのがおすすめです。
- 家族構成
- 今の住まいの情報
- 今の住まいの不満、家をもってやりたいこと
- 土地の希望
- 建物の希望
- 設備、仕様の希望
- 配置計画、土地の利用についての希望
- スケジュール など
また、案件レビューとは、案件の進め方を営業マン個人ではなく、複数で検討する会議のことです。
これを実施すると、多面的な視野で提案の準備をすることができるようになります。
案件レビューで必要な項目は、主にヒアリングシートの内容に準じます。
そのため、ヒアリングシートをしっかり埋められるような聞き取りを行えていないと案件レビューの精度が低くなり、間違ったフィードバックが増えるので注意しましょう。
案件レビューは以下のポイントを押さえると、効果的な運用ができるようになります。
- フォーマットを決める
- 事前に情報を埋めて、対策を考える
- 日時を決めて、継続する
フォーマットを決めておくと共通理解がしやすく、会議がスムーズに進みます。
また、事前に情報を埋めて対策を考えることで、営業マン自身の成長につながり、ただの報告会にならずに済みます。
注意する点として、ロープレと同様に継続が大事なので、日時を決めて継続するようにしましょう。
③達成する道筋を描く
年間目標を達成するためには"結果を出し続ける行動サイクル"が必要になります。
達成する道筋を描くためには年間目標を月で割り、さらに週間の行動に落とし込むスケジュールづくりが必要不可欠です。
住宅営業未経験者は、何を、どう、どれくらい行動すると目標達成に近づくのかというイメージがないため、がむしゃらに行動してしまい、効率が悪くなりがちです。
週間スケジュール作成をすることで目標に対する行動精度を上げ、今日は何をすべきかを目標から逆算してスケジュール立てができる習慣が身につきます。
先輩・上司は立てられた週間スケジュールが「目標が達成できる行動計画になっているか」をチェックし、アドバイスを行いましょう。
最初は一緒にスケジュール立てを行うなど、個人のスキルに合わせた対応が必要になります。
「ロープレ」「案件レビュー」と同様に、部下・後輩に時間を割いてあげられるよう自身の週間スケジュールにも注意をしましょう。
新人営業を即戦力化する育て方のコツ
新人営業を即戦力にするためには、育成方法にいくつかのコツがあります。
まず、その仕事はどんな目的があり、その仕事の全体像はどのようになっているのかを伝えましょう。
タスクを振ったとしても、そのタスクが何を意味しているのか理解していなければ、その仕事にどんな意味があるのか理解できません。
また、ロープレや営業同行を行なった際は、必ず先輩や上司がフィードバックを行いましょう。
フィードバックすることで、課題が見えやすくなり、新人営業本人も次に活かせます。
そして、事前準備を習慣化させることも、仕事に慣れていない新人営業には必要不可欠です。
お客様情報を事前に把握したり、案内する商品について整理したりと、事前準備をしているかどうかで、営業が成功するかどうかが決まります。
新人営業の目標の立て方
新人営業が必ず行うべきなのが、目標を立てることです。
目標を達成することで、人は自信を持つことができます。
そのため、現実的に達成できる目標を設定するのがポイント。
また、「1日3件アポをとる」など数値などで測定できる目標にすると、達成感やモチベーションアップにつながりますよ。
そして、目標には必ず期限を設けましょう。
期限を設けることで、緊張感を持って日々の業務に取り組むことができます。
新人営業を即戦力化するために、方法や仕組みづくり知ろう
結果が出ない新人営業には、良かれと思って周囲がアドバイスしても、かえってそれが混乱させてしまうことになりかねません。
結果として、目の前の簡単な事務作業や雑務だけで仕事の達成感を得ようとしてしまいます。
そうなることなく新人営業を即戦力化するには、ヒアリング力や提案力、コミュニケーション力、課題発見力などを身につけることが大切です。
新人営業を即戦力化するには、商品の知識を深めたり、ロールプレイングやOJT・営業同行をしたりするほか、営業活動を仕組み化することも取り入れましょう。
営業活動を仕組み化する際は、「プレゼンの軸を持つ」「顧客視点を手に入れる」「達成する道筋を描く」といったポイントを押さえてくださいね。
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