目次
時代のニーズに合わせた商品、サービス作りは大切ですが、昔から親しまれているロングセラー商品はどうしたら良いのでしょうか?
ここで大切なのが、時代や社会のニーズに合わせて商品やサービスの価値を変えていく「リブランディング」という考え方です。
住宅業界のジョンソンホームズの事例を交えながら、リブランディングについてご紹介します。
リブランディングとは?必要性とメリット
リブランディングとは、既存のブランドや商品を、時代のニーズ・顧客の価値観の変化に合わせて再構築することです。
商品の良いところや強みを活かしつつ、時代に合わない部分を修正し、新たな顧客ターゲットや今の時代のニーズを捉えた商品に作り変えていきます。
リブランディングには3つのメリットがあります。
- ポジティブに作り込むことができる
- 開発経費を抑えることができる
- 新しい価値観・時流に素早く対応することができる
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
メリット①ポジティブに作り込むことができる
既存のブランドを捨てて、新しい商品を作ることは社内の反発を招くことは必至です。
トップダウンも可能ですが、社員が一丸となっていない状態では、開発がうまくいかない可能性も。
リブランディングの場合、これまでの商品の良さを活かしつつ「既存の商品をより売れるようにブラッシュアップしよう!」と、ポジティブな方向で作り込むことができます。
メリット②開発経費を抑えることができる
リブランディングでは既存商品がベースにあるため、イチから開発をする必要がありません。
開発にかかる費用を大幅に減らすことができます。
今までの実績やお客様の声が既にあり、何が不足しているか数字ではっきりと出ているため、新たに経費を掛けて情報を収集する必要もありません。
リブランディングの場合は、持っている情報をしっかり分析して、作り変える作業が主体になってきます。
メリット③新しい価値観・時流に素早く対応することができる
商品自体を作り変えなくても、既存で使えるツールを修正したり、ホームページを改修したりするゼロから商品を生み出すよりも素早く新しい価値観や時流に対応することができます。
リブランディングを行うべきタイミングとは?
リブランディングはただ漫然と行なっても効果は出ません。
その一方で、適切ではないタイミングでリブランディングを行なってしまっても、顧客やステークホルダーが離れて行ってしまうおそれもあります。
リブランディングを行うべきタイミングは、「顧客やステークホルダーの想いと、企業の想いにギャップが生じているとき」です。
リブランディングを行うべき、ギャップが生じるタイミングとしては、以下のようなものがあります。
- 顧客層が変化した
- 新鮮さがなくなり、マンネリ化している
- 競合が増え、ブランドらしさを見失った
- 会社の事業方針が変わった
商品やサービス自体が古さを感じさせてしまったり、創業当初と現在では事業内容が異なったりしている場合は、リブランディングを行うタイミングです。
リブランディングを行うタイミングは時流に乗ることも大切です。
「時流に乗って成長し続ける会社の特徴」で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
リブランディングの進め方は?
リブランディングには適切な手順があります。
リブランディングを進める、おおまかな流れについてご紹介します。
①現状を分析する
現状の課題や評価、商品の立ち位置などを徹底的に洗い出し、分析します。
ブランドの強みや弱み、競合調査なども行います。
②ブランド戦略の策定を行う
現状分析の結果をもとに、求めるブランドイメージの方向性や戦略を練っていきます。
商品の中で残すものや、なくして新しく付け加えるものなど、ブランドイメージに沿ってマーケティング方法を考えます。
③ギャップの要因を明らかにする
顧客が考えるイメージと、企業が考えるイメージのギャップがどこで生まれているかを探ります。
このとき、顧客の意見はすくい上げつつも、すべてをカバーしようと思わないことも大切です。
企業理念や企業の想いがブレてしまうと、アレもコレもとなってしまい、はっきりしないブランドイメージができあがってしまいます。
④多角的にリブランディング方針を打ち出す
商品やサービス自体のリブランディングだけでなく、ホームページやチラシ、パッケージデザイン、名刺、社用車などもリブランディングを意識したものにします。
こうすることで、リブランディングが広く浸透しやすくなります。
⑤リブランディング商品のニュースリリースを行う
リブランディングの方針が固まり、商品に反映ができたら、次はお披露目です。
広告などを活用して、リニューアルを大々的に打ち出していきましょう。
この際、リブランディングに至った想いや、今後の施策などもあわせて発表できると良いですね。
【事例紹介】住宅商品「ハグハウス」のリブランディングの流れ
住宅商品のリブランディングについて、実際にジョンソンパートナーズの住宅FC商品【ハグハウス】を事例に、一連の流れをご説明いたします。
まずは、ハグハウスをリブランディングするに至った背景をご紹介します。
ハグハウスは2008年に子育て世代のママ向けの商品としてデビューしました。
当時はあまりなかった回遊動線やリビング階段、キッチン横のママスペース、リビングに子どもの勉強スペースなどを導入。
子育てがしやすい環境になるような間取りと丸窓三角屋根の外観が非常に好評で全国に広まりました。
しかし、数年が経ち、さまざまな企業が子育てママ向けの住宅商品を多数発表し、一気にレッドオーシャン市場に。
毎年目新しい外観デザインを発表するなど、他商品との差別化を余儀なくされました。
その後、2018年に根本的なコンセプトの見直し(リブランディング)に着手を決定。
従来のハグハウスの特徴を活かしつつ、今の時代・価値観に合ったコンセプト作りを開始しました。
ハグハウスのリブランディングの流れ
ハグハウスのリブランディングの流れを見ていきましょう。
1.新コンセプト決定方法
リブランドを進める上で、コンセプトをどう定義するかが最も重要な作業になります。
商品や販促ツールの修正など、全ての指針をコンセプトに合わせて決定していきます。
皆がしっくりきて、納得できるコンセプトにするため、今後商品に関わる全員の意見をしっかりと出し合いました。
世の中の状況、商品の過去の実績を鑑みて、どのようなコンセプトであれば皆が愛着を持てて、時流を捉えるモノになるかについて、時間をかけて打ち合わせをしていきました。
2.商品修正
次に、新たなコンセプトに合わせた商品の修正です。
ハグハウスでは2008年に「ママ向けの子育て住宅」から始まりました。
しかし、現在は共働きが当たり前で、奥様が家事全般をするという価値観は古いものとなり、夫婦で子育てに向き合っていくためのおうちが求められています。
そこで、「ママ向け」から「家族の暮らし」にフォーカスすることにしました。
商品は新コンセプトに合わせ、家事のしやすさはそのまま残しつつ、家族がおうちで楽しく過ごせるようファミリースペースや思い出ギャラリーなどが入った「わくわくプラン」を新たに追加。
その他、中二階や収納、平屋など実際に生活をする間取り(プラン)の充実を図りました。
一方、毎年新商品として出していた外観デザインは新規で追加をせず、商品名も伏せることで「ハグハウス」単体のブランディングを強化する方向性で進めることに決定しました。
3.ツール・WEBページの修正、新規追加
コンセプトに沿った商品が決まったら、ツールとWEBページの修正です。
まずは、全ての販促ツール、集客装置(チラシ、WEB広告、ホームページ、SNS)を並べて検証します。
このとき検証するのは、商品の変化により、現状のツールがそのまま使えるのか、修正する必要があるのか、新規で全て作り変える必要があるのかなど。
その際、指針になるコンセプトを常に意識して判断することを忘れないよう心がけました。
4.関係各所への説明や顧客への告知・広告スタート
コンセプトに沿った商品とツールができあがったら、いよいよ告知と広告のスタートです。
リブランディングを行うことで、リニューアル広告やキャンペーンで商品の発表を盛り上げることができます。
さらに、既存商品のリブランディングなので、今までの認知効果も引き継ぐことも可能。
もちろんリブランディング仕立てなので、時流にも合っている商品です。
時には新商品を発表するよりも絶大な集客・認知効果が見込める可能性があります。
リブランディングの注意点も確認!
リブランディングを進めていく際は、注意する点がいくつかあります。
時流をつかめていない商品であったり、ブルーオーシャンを求めすぎたりすることで「売りにくい商品になってしまった」「既存のブランドイメージからかけ離れてしまった」など、失敗例は世の中に数多く存在しています。
これらの失敗は、コンセプトを決める際に、時流と今まで培ってきたノウハウや情報の精査不足が原因であることが多いです。
リブランディングを成功させるためには、コンセプト(商品の指針)を間違えないよう、ありとあらゆる情報を収集しましょう。
リブランディングとは新たな価値を提供するための手段である
リブランディングとは、社会情勢等に合わせて商品やサービスに手を加え、その時代に合ったものに作り変えていくことをいいます。
リブランディングはブランドのイメージを守りつつ、開発期間や費用を抑えて商品の開発を行うことができます。
ただし、リブランディングを行うタイミングには注意!
誤ったタイミングで行ってしまうと、顧客やステークホルダーが離れて行ってしまう原因になりかねません。
リブランディングは進め方も大切なので、一つひとつ丁寧にこなして作り上げていきましょう。
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