目次
こんにちは。金子です。
4月に新年度を迎え、誰もが気持ちを引き締める時期から数ヶ月が経過した6月頃は、仕事に慣れてきた新入社員を含め、社内に「中だるみ」の空気が蔓延しがち。社員が覇気のない表情で営業先に向かっている、毎日遅くまで会社に残っている様子だけれど、あまり仕事がはかどっているようには見えない...そういった様子を目にすることはありませんか?
部内や課内の士気を高めるために、部下を誘って「飲みニケーション」や、BBQなどのイベントを企画し、お互いの距離を縮めるのもひとつの方法ですが、部下全員をフォローするのは難しく、にぎやかな場所が好きではない部下にとってはかえってストレスになってしまうこともあるかもしれません。
部下たちのモチベーションの低下を感じたら、部下それぞれの課題と解決策を探るため、面談の時間を設けることが有効です。今回は、私がこの時期に行う面談の意義や目的、方法を紹介します。
モチベーションは他人がコントロールできない
部下が、仕事に対するモチベーションを維持できない大きな原因の一つとして考えられるのは「自分なんて必要ない」と仕事をする目的を見失ってしまうことではないでしょうか。
例えば、職場環境に多少の不満があったり、人間関係につまずいていたとしても、「自分がいなければ、この部署はまわらない」という責任感や自負があると、人は自分が抱えている仕事をそう簡単に投げ出すことはありません。
ここで一つ確認しておきたいのは「モチベーションは他人が操作できるものではない」ということです。管理職、マネージャー職等の上司は「何とかして部下のモチベーションを上げなければ」と思いがちであり、また、部下の中にも「モチベーションは上司が上げてくれるもの」という意識を持っている人が少なくはありません。
「頑張れ」「君はうちに必要な人材だ」などと、どれだけ言葉をかけても、本人が実際にやりがいを感じて気持ちを高めていく過程を体験しない限り、本当の意味での承認欲求は満たされないのではないでしょうか。
面談は「聞く7割、話す3割」の心構えで
部下それぞれが、仕事上でどこにつまずきを感じているのか、何を課題としてどのようにクリアしていこうとしているかということをヒアリングするための面談の予定を立てましょう。
実際に面談の日取りを決めたら、質問項目などは事前にまとめておき、時間割を作成しておくと良いですね。部下によって質問内容がバラバラになってしまうのは、おすすめしません。本当に聴くべきだったことや、もしかしたら部下本人が伝えるつもりだったことを聞き損ねてしまうこともあるからです。
面談がスタートしたら、部下の話を聞く割合を7割、提案などこちらが言葉をかける割合を3割程度とするのが理想です。もちろん、話すのが不得意な部下や、上司のアドバイスをもっと聞きたいという部下もいるでしょうから、ある程度は臨機応変でかまわないのですが、できる限り話を聞く面談にするよう意識を持っていくべきです。
部下の話すペースに合わせて相槌を打つ、急かすような尋ね方をしない、などのちょっとした工夫で部下の口数は変わってきますので、じっくりと部下の話に耳を傾けた面談にしてください。
達成しやすい課題をクリアすることで成功体験を重ねる
面談で、部下それぞれの問題点が見えてきたら、次は解決のための目標を設定しましょう。
「小テスト」のような課題でかまいません。売り上げや業績に直結するようなもの、というよりは「朝20分早く出社して、その分早く退勤できるようにしよう」「提出物の期限を守る」「パソコンのデスクトップを整理」など、後回しにしてしまいがちな日常業務の些細な課題で良いのです。
あえて達成しやすい課題を提案し、成功体験を積み重ねてもらうことも大切です。一つできたら、次の課題は少し複雑な課題を、という風に段階を経て、つまずいている部分を解消していき、本人の意識が自然と前向きになるようサポートしましょう。
面談をしていくことで、部下たちは上司の思考の方向性や評価基準などを学んでいくことにもなります。企業として重要な判断を決断する際に、意思疎通で苦労するという問題も、日常の中の積み重ねでクリアすることができるはずです。
まとめ
社内が「中だるみ」の空気になってしまいがちなこの時期には、面談を通して部下とコミュニケーションをはかりましょう
- モチベーションは他人が操作できるものではなく、自分自身で高め、維持していくもの
- 面談ではアドバイスに走るのではなく、「傾聴のスキル」で対応を
- 日常業務の中から達成しやすい課題を探り、成功体験を積み重ねてもらい評価する
6月頃は、年度始めから時間が経ち、それぞれの日々の業務に追われてなんとなく部下との距離を感じる時期。飲み会などで士気を高めるのも良いですが、部下が抱えている問題や日常の困りごとを把握するために、面談を実施することをおすすめします。
普段の業務の中では聞き出せなかった部下の悩みに気づくことができるはずです。あえて達成できそうな目標を提案することで、成功体験を積み重ねた部下たちは、自然とモチベーションがアップし、生き生きとした表情を見せてくれることでしょう。
他にも社員のモチベーションに関するコラムを発信しておりますので、ぜひご参考ください!