社員満足度の高い会社はチームで仕事をしている

楽しい会社づくり / モチベーション
2017年05月19日 by 金子 祐介

目次

営業主体の企業では、高度成長期から2000年の終わりごろまで、従業員に「売上げ」のノルマが課され、「売れない奴は売れるまで帰ってくるな!」とでもいうような空気が漂っているケースが少なくありませんでした。

新入社員が売れるようになるコツを教えられることもなく営業に行かされ、「売れない奴には辞めてもらう。代わりはいくらでもいる」と放り出される、そんな体質です。
昔に比べれば少なくはなったものの、現在でもこうした「成果を従業員任せにする会社」はまだまだ存在しています。

しかし、現代の日本でそんなやり方をしていては肝心の売上げも顧客満足度も社員満足度も上がりません。
それはなぜなのか、そして、こうした状況から脱却するためにはどうするべきなのでしょうか。

商品が複雑化・多様化した現代、昔の売り方は通用しない

売れない奴は売れるまで帰ってくるな!」と、売る責任を従業員任せにしても企業が成り立っていたのは、「高度成長期の仕事は単純だったから」です。

当時の商品は、「理解するのも使うのも簡単」でした。

そのため営業では、見込み客の所に足を運び、電話をかけ、頭を下げる、という方法でもある程度は売れることが多かったので、周りに教えられなくても少しずつコツを掴み、売れるようになりました。

しかし、現代ではもはやその売り方が通用しません。

商品も市場も高度になり、複雑化・多様化した結果、闇雲に歩き回っても頭を下げても全く売れない、そんな時代になっています。

売れるようにするための仕組みをみんなで作る体制

現代においては、成果を従業員任せにせず「組織的に売れるようにする仕組み」を作って、従業員をサポートすることが重要です。

営業の組織化を重視する会社では、たとえば以下のような形で「販売」のプロセスを分解し、それぞれの過程のノウハウをチームで開拓し、共有し、チームで売上げを上げる、そんな体制を作っています。

1.集客
取扱商品を買う可能性のある見込み客のリストをイベント/セミナー開催、展示場出展/Webなど、何らかの方法で調査し集めます。

2.アポ取り
集めたリストに対して従業員全員で分担して電話をかけてアポ取りをします。

3.ヒアリング・商品説明
アポが取れた先を訪問して、解決すべき課題をヒアリングします。自社が提供可能な商品/サービスを説明します。

4.提案・クロージング
顧客の課題に対して自社の提供可能な解決策を整理して提案し、契約をまとめます。


以上は単純化した一例で、実際にはそれぞれの現場ごとにさらに細分化したプロセスになりますが、共通するのは「ノウハウを言葉にして従業員全員で共有する」ということです。

たとえば「アポ取り」の際は会話でも、ちょっとした言葉の選び方で効率がまるで違ってしまうため、「どんなトークをすればアポが取れるのか」がノウハウになります。
そこで数人で同時にアポ取りを始め、各々が得たノウハウを即座に共有し合えば、ほんの1日の間に全員のアポ取り確率をめざましく向上させることが可能です。

仲間の役に立つことで自分の成果も上がり、満足も得られる

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組織化を重視する企業では、チームで仕事をしてお互いに困ったことは助け合おうとする風土があります。
それによって得られるのが、

全員の仕事スキル向上
仕事への満足度向上

という2つのメリットです。
ノウハウを共有するためには、自分の気づいたことを言葉にして人に教えなければなりません。

従業員に営業の責任を負わせる企業では、「営業ノウハウも個人が抱え込んで同僚には教えない」というケースがよくあります。
しかし、「教える」仕事をした人は知っていることでしょうが、「教える」ことによって実は自分自身が一番理解を深めることができるものです。
もちろん、自分が気づかなかったことについて仲間に教えてもらう場合もあります。
結果、全員のスキルが向上します。

もちろん金銭的な報酬も大事ではありますが、それ以上に「人の役に立てる」こと、「あなたのおかげで助かった。ありがとう」と感謝されることに多くの人は喜びを感じ満足するものです。

「チームで仕事をする」風土のある企業が社員満足度の高い企業になる理由もそこにあります。

小さな悩みが会社全体を改善するヒントになる

こうした効果は従業員のスキル向上だけではありません。
ちょっとした気づきを言葉にして全員で共有し改善策を話し合うという行動が習慣になっていれば、当然それは営業に限らず会社のあらゆる部門、業務にも向けられます。

困ったな?おかしいな?という些細な悩みや疑問を埋もれさせず、会社を強くする手がかりとするためにも「チームで仕事をする」風土は活きてくるのです。

まとめ

営業職に限らず、現代の仕事は複雑化・多様化しているため、一人だけでスキルを身につけ完結させるのは不可能に近いです。

「チームで仕事をする仕組みを作り、助け合う」風土が全員の成長をもたらし、社員満足度の高い会社を作るのです。

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