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「よその会社の社員は、なぜあんなに積極的に仕事に取り組んでいるんだろう」
「うちの社員はどうして元気がないのか」
と頭を抱えている経営者は、どこの業界でも珍しくありません。
社員が一丸となって前向きに頑張り、不景気の波を乗り切れる強い会社になるには、どうしたらいいのでしょうか。
社員のやる気を引き出すヒントとして、「やらされている感」を払拭する「ミッション作り」のコツと、その広め方をご紹介します。
何のために働くのか?目的を明確にしよう
昔、シベリアの強制収容所には、スコップで地面に穴を掘り、同じ穴を埋め戻すだけの作業を繰り返す強制労働があったといいます。
何のためにやらされているのかさえわからず、努力が報われない作業は、確実に心が折れたと伝えられています。
ところがその後、ある心理学の研究者が人を集め「研究に協力してほしい」と説明した上で、穴掘り・穴埋めを繰り返す作業を体験してもらったところ、「大事な研究に役立つ実験に協力できた」とやりがいを感じる参加者も数多くいたそうです。
同じ仕事でも、何のためにやらされているのか分からないままノルマを果たすのと、使命感を感じて取り組むのでは、当事者の意識は大きく変わってきます。
自分の役割を果たす喜びや、存在意義を実感できる環境を作るための第一歩は、「ミッションをはっきりさせること」。
つまり、使命感や目的意識をはっきり持つことです。
大事なのは、仕事の目的とお客様へのミッションを知ること。
どんな職種にも、仕事の芯となるお客様へのミッションがあります。
例えば、医療関係の方なら「一人でも多くの患者様に元気になっていただくこと」、外食産業にお勤めの方なら「おいしい食事を快適な空間で提供し、お客様に楽しく過ごしてもらうこと」がミッションです。
家づくりの仕事の場合は、「家づくりを通して、お客様が幸せに暮らすお手伝いをする」ことがミッションです。
業績や利益は後から自然に付いてくるものなのではないでしょうか。
社員のやる気を引き出すには、まず経営者が自ら「自分の会社ならではの真のミッションとは何か」を、突き詰めて考えてみるのも良いでしょう。
考え方のヒントとして、「自分がお客様だったら、どんな人たちに大切なマイホームづくりを任せたいか」を思い描き、そこから立場を逆転させて考えるのも手です。
団結して仕事を進めるために、ミッションの共有を
経営者が自分にとっての理想の会社像と、ミッションをしっかりと思い描けたら、心の中で思うだけでなく、社員の前で声に出すことも大切です。
「地域で親切No.1の会社になろう」「自分たちが建てた家で育った子たちが、大きくなったらウチで家を建てたいと言ってくれる会社になろう」などと言い続けていれば、経営者の意気込みや会社の方向性が少しずつ社内に浸透します。
自ずと団結力も高まるでしょう。
「何カ月で家を何軒売れ。○○万円以上の利益を出せ」とノルマを強調されるより、ずっとやりがいを持って仕事に取り組めるはずです。
仕事に心から誇りを持てるミッションを軸に、社員が生き生きと元気に働ける明るい社風や、それぞれの悩み事や仕事への想いを語り合える環境を整えていきましょう。
会社自体のビジョンも明確にしよう
チャレンジ精神が旺盛で、自由な社風の会社と一緒に個性的な家をつくりたいか、それとも堅実な社風の会社と、何十年経っても飽きない住まいをつくりたいか。
長く付き合っていきたい親切な会社がいいのか、ビジネスはビジネスとして考えるクールな会社がいいのか。
理想の会社のビジョンが明確になれば、自分がどう行動するべきか、お客様にどう接するべきかは自然に見えてくるはずです。
ジョンソンホームズでも、常務自らミッションミーティングという会議を開き、自社のミッションについて社員と語り合い、意志を統一する機会を設けています。
まとめ
人間はやりがいを感じない仕事では、頑張り続けることができません。
「仕事をする目的は何か」「どんなふうに人の役に立つのか」を意識し、使命感や目的意識をはっきり持てるよう、会社のミッションを明らかにしましょう。
- 目的が分からないままノルマや義務にしばられると、人間は働くのがつらくなる
- 「ミッション=使命」を理解し、やりがいを持って仕事をすれば結果は後から付いてくる
- 社内でミッションを共有し、社員が生き生きと元気に働ける環境づくりを
「自分たちは何のために働いているのか」を明らかにすれば、社員は仕事に誇りを持つことができ、モチベーションは自然に上がります。
はっきりしたミッションをもとに、自分の役割を果たす喜びや、存在意義を実感できる社風を作り、社員のモチベーションを上げていきましょう。
他にも社員のモチベーションに関するコラムを発信しておりますので、ぜひご参考ください!