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ジョンソンホームズの川田です。
組織における意思決定の方式として、トップダウンとボトムアップがよくいわれます。
一般的には、社員の主体性の発揮やモチベーションの維持などといった点からもボトムアップ式のほうが良いとされているようですが、そうともいえないと感じています。
ボトムアップだけでもトップダウンだけでも上手くいかない
物事を決めようとするとき、意見やアイデアを持ち寄り合議するやり方がありますが、合議では「あれもこれもしなくては」となりがちです。
そもそも物事は決まらないように思えます。
さらにいえば、ボトムアップだけで進めると、例えば新たな取り組みや大きな投資を伴うプロジェクトのような場合は特に、業績にインパクトを与える意思決定は難しいものです。
話し合っているうちに、アイデアなり企画なりの角が取れていくのはよくあるパターンです。
他方、トップダウンではどうでしょうか。
意思決定の判断材料となる情報は、現場の社員のほうが多くもっているはずです。
そこを欠いて決定すると、的外れなものになってしまうことが往々にしてあります。
ボトムアップ任せでは強さが足りず、かといって経営層だけで決めた計画や戦略が良いものとは限りません。
どちらかだけでは、上手くいかないと感じています。
社員の参加意識を高めながら、組織のトップが意思決定する
では、組織で何かを決断し、それを社員がノリ良く取り組み、みんなで成果を出すためには...?
意思決定を行うのは組織のトップ。
ただし決めてやらせるのではなく、まんべんなく社員の話を聞いて決めます。
とことん聞いた上で経営視点から取捨選択をし、良いと思う意見や視点は取り入れる。
そうすることで、角を尖らせたまま、かつ社員の「自分たちも意見を出して意思決定に加わった」という参加意識を高めつつ決めることができると実感しています。
どうすればバランス感をもって、組織全体にとってより良い意思決定ができるかは、私の課題でもありました。
そこで模索していくなかで達した結論は、社員からあがる様々な意見について、真剣に悩むという過程を踏みさえすれば、決定事項に対して社員は理解をもって動いてくれる、ということです。
これまでのコラムでもたびたび書いてきましたが、経営には社員の話を聞くことが不可欠です。
けれども意見や提案をすべて取り入れていては良い経営にはつながらず、成長機会を逃すようなことにもなりかねません。
話を十分に聞いた上で、どう決めるかが肝要だろうと思います。
また当然ながら、組織の各階層で意思決定は必要になります。
企業ミッションが腹落ちできていれば、それがコトの大小に関わらず意思決定の指針となり、ぶれずに走っていけるとも感じています。