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大きな買い物である「住まい」を売る住宅業界の営業職。
一般的な商品・サービスを売る営業職よりも成果を出すハードルが高く、モチベーションの維持が難しいといわれています。
しかし、営業職は会社の売上に直結する職業。
営業のモチベーションアップ・モチベーションの維持は、会社にとって切っても切り離せない重要課題です。
今回は、住宅業界における営業職のモチベーションの上げ方を、住宅業界のジョンソンホームズの事例を交えながら、社員・経営者の立場別に詳しく解説します。
住宅業界以外でも通じるところがあるので、他業界の方もぜひ参考にしてください!
営業のモチベーションが大切な理由とは?
営業は、数字やノルマなど、目に見える形で成果が求められることが多い職業です。
営業のモチベーションが上がれば、営業成績や売上に直結することも多いため、モチベーションを高い状態で維持することは非常に重要となります。
モチベーションは、「つらい出来事・嫌なことがあったとき」に低下する傾向にあります。
特に営業マンの場合は、「何度も商談を行なっているのになかなか契約が決まらない」「努力をしているのに成果が出せない」といった場合に、モチベーションが低下しやすくなります。
営業のモチベーションが下がると、社員・経営者それぞれに次のような弊害が起きてしまいます。
営業のモチベーションが下がることの弊害|社員編
社員のモチベーションが低下すると、仕事に対する意欲がなくなり、一つひとつの業務に消極的になります。
アプローチする数が減れば営業成績も振るわなくなり、さらにモチベーションが低下するという悪循環に。
実績が増えないために営業自体のスキルも上がらず、「自分には向いていない」と離職につながってしまうこともあります。
また、モチベーションの低下は社員一人だけの問題ではありません。
モチベーションが下がっている社員が一人いるだけで、社内全体のモチベーション低下につながってしまうことも。
自分はモチベーションは維持できているつもりでも、モチベーションが低い社員を見ることで、「あのくらいの仕事で良いのか」と手を抜きたくなってしまうかもしれません。
また、「自分はこんなに頑張っているのに」と不公平感を抱くきっかけにもなります。
周りのモチベーションの低下に流されて、自分の仕事へのモチベーションが低下してしまったり、「もっとモチベーションが高い会社で働きたい」と感じて、今の会社に不満が募ってしまうこともあるでしょう。
営業のモチベーションが下がることの弊害|経営者編
社員のモチベーションの低下は営業成績に直結し、会社自体も大きなダメージを被ります。
モチベーションの下がった社員は、やりがいを感じることも少なくなってしまいます。
そして、やりがいを感じなくなった社員が転職を選択するケースも珍しくありません。
また、モチベーション低下による人材の流出が起こると、経営者は離職した社員の穴を埋めるために採用活動も行わなければならず、時間とコストも発生することに。
採用してもすぐに一人前になるわけではないので、この間も会社にとっては不利益な状態となってしまうでしょう。
そのため、モチベーションの向上・維持に向けた施策は、社員が個人的に行うだけでなく、経営者も一丸となって行う必要があります。
【社員向け】住宅営業のモチベーションを上げる10の方法
社員のモチベーションが下がる理由は、主に「外的要因」と「内的要因」の2タイプに分けられます。
外的要因は職場の環境や給与など、社員個人の力で変えることが困難であるケースがほとんどです。
そのため、モチベーションを上げるためには、まずは自分自身の力で変えられる内的要因にフォーカスして取り組んでみましょう。
ここからは、住宅営業のモチベーションを上げる方法について、住宅業界のジョンソンホームズの事例を交えながら、社員向けに10の方法をご紹介します。
①達成しやすい目標を立てる
立てた目標をクリアできると、人は誰でも達成感を得られ、次のステップへ積極的に踏み出せます。
モチベーションの向上を狙うのであれば、まずは達成しやすい目標を立てましょう。
気をつけるポイントは、達成までに時間がかかる目標ではなく、比較的容易に達成できそうな目標を設定すること。
はじめから大きな目標を立ててしまうと、途中でモチベーションが下がってしまう可能性があります。
短期・中期・長期に分けて、スモールステップで徐々に最終的な目標に近づけるような適切な目標を立てましょう。
②「できたことリスト」を作る
目標を立てて、できたことに注目することも大切です。
目標達成は、モチベーションアップの大きな力となります。
より実感がわきやすくなるので、まずは目標を可視化するのがおすすめです。
目標を立てたら紙やスマホのメモでも良いので書き出します。
書き出す場所は、普段からよく目にする場所にしましょう。
目標を達成できたらチェックをしていけば「できたことリスト」の完成です。
小さなことでも一つひとつリストアップすれば、自己肯定感が高まります。
自己肯定感が高まれば、一つひとつの業務に自信が持てて生産性も向上し、スキルアップも叶うでしょう。
③振り返りの時間を作る
目標が達成できなかった場合や、達成に時間がかかりそうなときには、振り返りの時間を設けましょう。
営業の方法が悪いのか、それともサービスの仕様や料金自体が悪いのかなど、上手くいかなかった理由を徹底的に考えます。
自分一人で振り返りの時間を作るほか、同僚や先輩と話すのも有効です。
自分では思いつかなかった視点や、上手くいくためのアドバイスがもらえるかもしれません。
また、お客様と対話をすることで、改善点が見えてくることもあるでしょう。
④ご褒美を設定する
目標が達成できたら、自分で自分にご褒美を設定するのもモチベーション維持に有効です。
少し高級なボールペンを買う、スーツを新調する、旅行をする、美味しい料理を食べに行くなど、ご褒美はなんでもOK。
自分がまた頑張ろうと思えるようなご褒美を設定してくださいね。
⑤ライバルを作る
ライバルを作ることによって闘争心が芽生え、モチベーションが向上する可能性があります。
ライバルに設定する相手は、自分よりも少し先を行っている人がおすすめです。
ライバルとして設定することで相手をよく観察することになり、営業のテクニックを勉強する機会にもなるでしょう。
⑥自分が売る商品やサービスを好きになる
自分はあまり好きではないが嫌々売っているという場合、モチベーションは上がりにくいです。
「心からおすすめしたい!」と思えるよう、まずは商品やサービスに愛情を持ちましょう。
ただし、必ずしも自分が好きな商品ばかりを売ることができるわけではありませんよね。
そんなときは、まず商品やサービスについて徹底的に勉強し、特徴や良いところ・悪いところなどをピックアップしてみてください。
ネット検索などをして、商品を使っている人の感想や使用感を調べるのも良いでしょう。
「自分には合わないけど、こういう人には向いている」といった傾向がわかれば、自信を持ってお客様にご紹介できるようになります。
⑦規則正しい生活をする
不規則な生活が続くと、悲観的に物事を考えやすくなってしまい、モチベーションを下げる原因に。
規則正しい生活をすることでストレスを低下させ、心身の健康を維持しましょう。
また、睡眠をしっかり取り、体を休めることも大切です。
頭の回転が早くなり、集中力・モチベーションが保てるといわれています。
そのほか、起床時間を一定にすることもポイントです。
生活リズムが整うことで、仕事モードへの切り替えも上手にできるようになります。
⑧行動を習慣化する
目標設定をしたら、とにかく行動することが大切です。
行動に移すのが億劫だったり、不安に感じたりするときには、行動を習慣化してしまうのがおすすめ。
「会社に行ってメールチェックを済ませたら、1件だけ新規営業先に電話をかけてみる」など、毎日やること(この場合はメールチェック)とセットにすると行動に移しやすくなります。
日々「一日のタイムスケジュール」を計画立て、さらに行動を習慣化させることもおすすめします。
⑨仕事時間を短く設定する
長時間だらだらと仕事をするのは、モチベーションを下げる原因になります。
集中力も落ち、良い仕事ができません。
残業はしない、有給休暇を取って強制的にその日までに仕事が終わるようにするなど、仕事時間を短くするよう意識しましょう。
今日のタスクを書き出し、かかる時間を設定したらそれを達成できるよう動きます。
効率良く働けるようになり、しっかりと休むこともできるので生活にメリハリが出ます。
⑩自己啓発本を読む
あくまでも短期的なものとはなるものの、成功者が執筆した自己啓発本を読むこともモチベーションの向上につながります。
自己啓発本は、自身が感じている悩みと関連性が高いジャンルがおすすめです。
自己啓発本を読めば、世界で活躍する成功者の価値観やノウハウを把握でき、新しい考え方や仕事の取り組み方を知ることもできます。
また、自己啓発本は読むだけでなく、読んで得たものを実践してみることで、よりモチベーションが上がるでしょう。
【経営者向け】住宅営業のモチベーションを上げる5つの方法
前述の通り、社員のモチベーションが下がり離職率が高まると、会社に大きな損失をもたらしてしまいます。
住宅営業の社員のモチベーションが下がる理由は、仕事の失敗・売上実績の減少だけではありません。
そのため、経営者が常に社員に対して何らかのフォローをしてあげることが大切です。
ここからは、住宅営業会社の経営者が社員にできるモチベーションの上げ方を5つ紹介します。
①個人目標を設定する
営業職は、設定された会社の目標をもとに、社員同士で数字を競い合う機会が多いです。
もちろん、数字を競い合うことは全体のモチベーションを上げるためには大切なことですが、会社の目標だけではなく、社員それぞれの個人目標を設定することも非常に大切です。
個人によって力量は異なるため、社員一人ひとりに合わせた努力目標が必要です。
全体の中での相対的な評価はしつつも、個人の頑張りを認める評価も行いましょう。
②営業成績の良い社員を表彰する
評価制度で一人ひとりの努力を何らかの形で反映することも大切ですが、それだけでは個人プレイとなってしまう可能性もあります。
そのため、営業成績の良い社員を数人表彰することも大切です。
社員の努力を労り、かつ評価することで、成果が出た社員のさらなるモチベーションアップにもつながるでしょう。
また、表彰式を行う場合は、表彰されなかったメンバーの努力も認め、労わることも忘れてはなりません。
③評価制度を見直す
評価制度が整っていなかったり、適正な評価制度を整えてなかったりした場合、社員は目標に向けて行動することもできなければ、達成感を味わうこともできません。
適正な評価制度を設けたり、インセンティブ(歩合給)制度を導入したりすることで、社員のモチベーションは向上し、一人ひとりの社員が目標に向かって行動することができるでしょう。
④社員研修を行う
社員を研修に参加させることで、社員は新たな学びを得ることができます。
研修で学んだことをさっそく活かしたいという思いから、社員のモチベーションが向上する可能性もあるでしょう。
社員が参加する研修は、一人ひとりのレベルに適切なものをピックアップしてあげることが大切です。
営業トークが苦手という社員には「売り方・話し方」を学べる研修、顧客との関わり方がわからないという社員には「リレーションシップの構築」を学べる研修などが挙げられます。
まずは社員に自身が抱えている課題をヒアリングし、適切な研修をおすすめしてください。
⑤意見が言いやすい社内環境を作る
営業職は業務の中でアイデアや気付きがあっても、日々の業務で忙しく、なかなか社内共有できません。
せっかくの良い案も、個人で止まってしまうのは会社にとってはマイナスです。
また、社内の環境整備などについても、社員が働きやすくするために、社員の意見に耳を傾けることは大切です。
定期的にメールフォームなどを使ってアンケートを行う、社長と社員の面談を行うなど、意見を言いやすい環境を整えましょう。
意見は聞くだけでなく、改善に向けてどのような努力をするのかなど、すべての意見に丁寧に対応することが大切です。
「自分の意見が大切にされている」と社員が思うことで、会社への安心感や愛着が生まれ、会社のために頑張ろうというモチベーションを高めます。
社員のモチベーションを上げるために、他にもできることはたくさんあります。
「社員のモチベーションを上げ職場の士気を高めるには?」でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
住宅営業のモチベーション維持はイキイキとした職場に必須!
価格が高額な住宅商品は、他業界の商品よりも成果を上げるハードルが高いです。
そのため、営業職の社員は顧客と密に関わって信頼関係を築き上げながら、成約に向けて行動しなければなりません。
住宅営業にはモチベーションの向上と維持が必須なのです。
モチベーションが低下し続けたままだとさまざまな弊害が生まれるため、社員のモチベーションについては、経営者も一丸となって考えるべき問題点・課題といえるでしょう。
モチベーションは、個人の取り組みも大切ですが、経営者側も社員にしてあげられることは多くあります。
モチベーションが上がらないことに悩んでいる住宅営業の社員・経営者は、今回紹介したモチベーションの上げ方をぜひ実践してみてください。
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